2022年度全国交流集会は、6月14日~15日、東京・両国・第一ホテルで参加者96名を集め、開かれた。
座長に高橋副会長が就任、開会の挨拶を行い始まった。
主催者を代表して森嶋中央協会長は、「①全国交流集会は新任役員の方を対象に研修と交流を目的に、毎年1回開催している。分散会では積極的に発言を頂き、会の現状と課題を共有していただきたい。②通常国会は6月21日閉会に向け、防衛政策の見直しを図るために防衛費を5年間で43兆円確保する『防衛費財源確保法』の成立を目指している。また、児童手当の改善等を盛り込んだ、『異次元の少子化対策』の財源については、増税せず、歳出削減と社会保険料からとし、詳細は先送りされているが、年金・介護・医療へしわ寄せされるのは明らかで退職者にとっては大きな問題で、注視していかなければならない。③退職者の会の課題として、ⅰ)高齢化問題で2025年には団塊の世代全てが後期高齢者となり、会員はもとより、役員も高齢になってしまう。ⅱ)会員数の減少で、退職者数も減っているが新規加入者も2年続けて50%を割っている。ⅲ)65歳超え雇用延長者は基本的に『会』への加入を勧める事を基本組織と決めてきた。ⅳ)組織の見直しにより、今後地域会員は減少し、企業本部単位の会員が増えてくるので職域単位の組織も検討せざるを得ない、地域とどうリンクさせるか相談していきたい。」と挨拶した。
続いて、豊田NTT労組中央本部副執行委員長は、「①7月11日~12日、第26回全国大会が開催され、中期運動方針を確立していく。会社組織の再編に伴い、コミュニケーションとコムウェアをドコモ本部の特別支部とし、6企業本部から5企業本部体制となり、ドコモ本部の組合員が一番多くなる。②4月の統一地方選の取り組みでは大変お世話になり感謝申し上げる。組織内、組織重点、政策議員48名中41名の当選にとどまり厳しい結果となった。地域の政治を活性化するためにも自治体議員団の役割は重要だが、自治体議員団数は84名から68名に減っている。今後入会者もいるが70数名にしかならない。③通常国会は大詰めを迎えているが、解散があればしっかり戦いたい。少子化対策は待ったなしの状況だが、一時的な政策なら若者は動かない。財源は増税しないと言っているが、社会保障サービスの削減が予想され、中高年以上への影響は大きい。2年後の参議院議員選挙では組織内候補を擁立したいが、候補者は『吉川さおり』を含めこれから検討していく。」と挨拶した。
続いて、中央本部三上企画組織部長から「NTT労組の現状について」の報告と課題について説明があった。内容は1.組織現状では、①組合員の意識、②分会規模、③組織人員、④財政状況、⑤参議院議員選挙の結果について報告がされた。2.NTTグループの状況では、リモートワークの拡大、収支状況、人事・人材育成・処遇の見直しに触れた。組合活動の課題として、通勤が必要なくなり、単身赴任もなくなり組合員には好評だが、対面で話す機会がなくなり気持ちが通じない反面、組合員から見れば、組合が何をしているかわからないと不満も出ている。また処遇の見直しに伴い専門性を高める人材として、外部から中途採用をしているが組織化は難しい。処遇改善により評価を意識すれば、組合役員の担い手問題は大きな課題となっている。3.NTT労組の組織改革では今後の企業本部、分会規模、組合への組織率についての説明があった。
続いて、『退職者の会』の歩みと課題について、川辺中央協事務局長より、会の主な出来事、会の目的と活動、組織、会の現状と課題の説明があった。
休憩後、特別講演「知っておきたい『医療・介護・年金』」をテーマに中島豊一特定社会保険労務士より講演を受けた。
その中身は①2024年度改正「医療保険制度」②2024年度改正「介護保険制度」③年金保険制度の基礎知識、直近の改正点、年金制度改革の論点について説明を受けた。
いずれの項目も、高齢者にとって負担増となる厳しい見直し案だが、社会保障制度はなくてはならないものであり、鳥取県米子市の偉人、宇沢弘文の著書「社会的共通資本」での「すべての人々の人間的尊厳が守られ、魂の自立が保たれ、市民の基本的権利が最大限に確保できる社会」の言葉を引用し講演を終了した。
二日目
二日目は、第1~第6の分散会に分かれ、「会と会員のコミュニケーションの充実」をテーマに討論が行われた。参加者からは、各支部協や地区協の取組み、活動の悩みなど活発な討論が行われた。
分散会の状況は次のとおりである。
続いて、川辺中央協事務局長がまとめとして「全国交流集会は分散会がメインで、他の支部協の活動状況を知り、意見交換することが目的。コロナは終息していないが、会員とのコミュニケーションを図るため、参加者の高齢化に伴い移動を少なくして、地域主体でレク・行事を開催しているとの報告が多かった。女性の参加・参画については、地区協等では女性役員の割合が20~30%おり、女性の視点が生かされ、活動すれば「会」が活性化するので、あらゆる場面に女性の参加・参画をお願いしたい。また、生協システムへの既会員の登録は自然災害が頻発しているので、安否確認等をするためにも会員の最新データの収集にご協力をお願いしたい。役員の後継者問題については現役時代の人間関係を活かし、対応してほしい。また、退職者の会は、支部協・地区協等役員のボランティア精神に支えられており、今後もご協力をお願いする。」と述べ、全国交流集会を終了した。