情報労連主催の平和四行動の締めくくりである「2025北方領土返還要求平和行動in根室」は、9月6日(土)~7日(日)にかけて開催され、退職者の会からは、神奈川県支部協・池田事務局長、山梨県支部協・水石事務局長、鹿児島県支部協・陣之内副会長、中央協・中野副会長、地元北海道支部協・前佛実さん、岩見沢地区協・本田進さんが参加し、情報労連全体では約80名が参加した。
6日
一日目は、9月6日(土)14時30分から釧路市内において「情報労連平和学習会」が開催された。
最初に主催者を代表して情報労連・十川副中央執行委員長は、①戦争の悲劇とその愚かさを学び、一人ひとりが平和の問題を『自分ごと』として捉え、あらためて不戦の決意を誓い合うこと、②元島民の方に寄り添い、北方領土の早期返還に向けた国民的な運動のうねりを強化していくこと、③世界に目を向ければ、『戦後・被爆80年』を迎える中にあっても、領土問題や貧困などを背景とした戦争・紛争・内戦が繰り返されていること。の3点を挙げ、「戦争の実相を直接聞き、次代に伝えることのできる私たち世代の責任として、また争いのない平和な世界に向け、一人ひとり何ができるのかを、この2日間の行動を通じて考える機会にしてほしい。」とあいさつされた。
また、地元協議会を代表して北海道協議会・萩原議長は「戦後80年を迎えたが、これが区切りではない。これまで積み上げてきた平和の礎を、その先へ紡ぐことが我々の重要な任務であり、『創り育てる平和』である。この後も北海道に触れるとき、平和の尊さや北方領土の課題に想いを致すとともに家族や同僚に伝えて貰いたい。」とあいさつした。
学習会では、まず北海道協議会・中川事務局次長から、戦前・戦後の領土問題や北方領土問題の今後の課題と取り組み、また当時日本の領土であった南樺太・真岡郵便局で起きた悲惨な事件や樺太からの引揚げ船三隻の殉難などについて説明を受けた。
続いて「後継者としての四島(しま)への想い」と題し「千島歯舞諸島居住者連盟」の堀江則男氏より、北方領土が不法に占拠された経緯や当時の過酷な状況、元居住者とその家族の想いなどについて講演を受けた。その後、ワークショップを行い、ここまでの学習内容をクイズ形式で確認した。
学習会の最後には、情報労連平和四行動をつなぐピースフラッグを、萩原議長から次の平和行動の開催地である沖縄へとリレーした。
フラッグを受け取った沖縄県協議会・桃原事務局長は「ピースフラッグとともに世界の恒久平和への想いを受け継ぎ、2026年の平和行動へしっかりつなげていく。」と決意を述べた。
7日
二日目の7日は、根室市にある本土最東端・納沙布岬にて開催された「連合2025平和ノサップ集会」に参加した。
主催者を代表して、連合・清水事務局長は「ロシアは、日本政府のウクライナ侵攻に対する制裁措置に反発し、日ロ平和条約締結交渉、および『ビザなし交流』等の中断等を一方的に表明した。以後再開の目途が立たぬままであり、両国の関係を、日ソ共同宣言を発表した1956年以降、最悪の状況に貶めるものである。日ロ関係の改善、一日も早い北方領土問題の解決に向けた粘り強い外交努力を日本政府に求めるとともに、参加者全体で世界の恒久平和への想いを共有し、今後の運動につなげていくことを誓いあいたい」と力強くあいさつした。
また、地元あいさつとして、連合北海道・須間会長は「元島民の減少による担い手不足により、若い世代へ北方領土返還要求行動を継承することが大きな課題である。元島民の悲願である北方領土早期返還に向け、取り組みを仲間に伝え、次の世代につなげよう」と訴えた。
さらに自治体等からの来賓あいさつの後に、歯舞群島出身の角鹿秦司氏による「元島民の訴え」、連合島根からの竹島問題の特別報告があり、連合北海道・須間会長から連合沖縄・仲宗根会長への平和旗「ピースフラッグ」のリレーが行われた。
最後に、「集会アピール」を採択し、連合北海道釧根地協・淺野会長の先唱による力強い団結ガンバローを参加者全員で行い、集会が終了された。
集会終了後、情報労連参加者による「まとめ集会」が開催され、中央本部青木運動推進局長から「北方領土返還に向け、本行動で見たこと、聞いたこと、感じたことを、職場の仲間や家族、友人に共有し、『創り育てる平和』を共に取り組もう。」と全ての参加者に訴え、2日間の行動を終了した。
なお、釧路から根室へ移動する車中において、色丹島に暮らす一家が戦後に体験した過酷な運命を描いたアニメーション映画「ジョバンニの島」と、ソ連の樺太侵攻がもたらした戦禍を映す「樺太1945年夏 氷雪の門」を視聴し、北方領土問題の実相、樺太真岡郵便局において犠牲となった電話交換手「9人の乙女」の悲劇への理解を深めた。
退職者の会は、戦争の悲惨さ愚かさ、平和の尊さを訴えるためNTT労組、情報労連と連携し、今後も行動を継続していく。


