退職者の会は9月7日(土)~8日(日)にかけて、情報労連主催の平和四行動の締めくくりである「2024北方領土返還要求平和行動in根室」及び連合主催の「2024平和ノサップ集会」に参加した。
今回、参加したのは茨城県支部協・根本操さん、岐阜県支部協・柚原邦春さん、香川県支部協・下河進さん、中央協・本橋副会長、そして地元北海道支部協札幌地区協・城地良和さん、北見地区協・加瀬隆志さんが参加した。(情報労連全体で約80名が参加)
一日目・7日
9月7日(土)14時30分から釧路市内で「情報労連平和学習会」が開催された。最初に主催者を代表して情報労連・水野書記長から「北海道の地では、一般に終戦記念日とされる8月15日以降も戦争の悲劇が続いていた。北方四島や樺太への旧ソ連軍の侵攻、樺太真岡郵便局における悲劇や旧逓信省の海底ケーブル敷設船小笠原丸をはじめとする引揚船三隻の殉職等、当時何が起きていたのかを学んでいただきたい」「戦後79年が経つ今もなお領土問題は未解決であり、故郷に戻れないどころか自由に訪問すらできない。元島民の方の高齢化が進む中、早期返還に向けた国民的運動のうねりを強化しなければならない」と述べた。
続いて、地元協議会を代表して北海道協議会・萩原議長は「来年の戦後80年に向けて平和の礎を一段積み上げたい。そして、その先へ平和を紡ぐことが我々の役割であり、『創り育てる平和』である」「この後も北海道に触れるとき、平和の尊さや北方領土の課題に想いを致すとともに家族や同僚に伝えて貰いたい」とあいさつした。
次に学習会の第1部として北海道協議会・中川事務局次長から「北方領土問題・終戦後の悲劇について」として歴史的事実や日本固有の領土である根拠、また当時日本の領土であった南樺太・真岡郵便局で起きた悲惨な事件や樺太からの引揚げ船三隻の殉職について説明があった。
続いて「私のふるさと蘂取(シベトロ)」と題し「千島歯舞諸島居住者連盟」の安田愛子氏より、生まれ育った択捉島蘂取での生活、終戦後のソ連軍の侵攻とその後の島での生活、択捉島からの引揚げ時の苦労や近年のビザなし訪問時の様子などについて講演を受け、参加者全体で当時の状況と故郷への想いを共有した。その後、それまでの学習内容をクイズ形式で確認する「ワークショップ」を行った。
また、組織内・石橋みちひろ参議院議員から二度のビザなし交流事業の経年による変化やロシアの実効支配が強化されている現実、ロシアによるウクラナイナ侵攻、返還要求運動にも関わる日米安全保障条約、日米地位協定関係の課題等について情勢報告を受けた。
学習会の最後には、情報労連平和四行動をつなぐピースフラッグを、萩原議長から次の平和行動の開催地である沖縄へとリレーし、フラッグを受け取った沖縄県協議会・比嘉議長は「ピースフラッグとともに世界の恒久平和への想いを北海道から沖縄へとつなぎ平和行動を展開していく」との決意を述べた。
二日目・8日
8日は根室市にある本土最東端・納沙布岬にて開催された「連合2024平和ノサップ集会」に参加した。
主催者を代表して、連合・清水事務局長は「ロシアは、ウクライナ侵攻に対する制裁措置に反発し、日ロ平和条約締結交渉および北方四島ビザなし交流事業等の中断を一方的に表明し、以後再開の目途が立たぬままである。これらの動きは、両国の関係を、日ソ共同宣言を発表した1956年以降、最悪の状況に貶めるものである。日ロ関係の改善、北方領土問題の解決に向けた粘り強い外交努力を日本政府に求めるとともに、参加者全体で世界の恒久平和への想いを共有し、今後の運動につなげていくことを誓いあいたい」と力強くあいさつした。
また、地元あいさつとして、連合北海道・須間会長は「元島民の方の高齢化が進む中、次代への返還要求運動の継承が課題である」「すべての集会参加者には平和行動に参加して学んだこと、感じたことを語り継ぐことで、平和運動の取り組み強化を果たしていただきたい」と訴えた。
さらに自治体等からの来賓あいさつの後には、択捉島出身の鈴木咲子氏による「元島民の訴え」、連合島根からの竹島問題の特別報告があり、連合北海道・須間会長から連合沖縄・知花事務局長への平和旗「ピースフラッグ」のリレーが行われた。
最後に「集会アピール」の採択を行った後、連合北海道釧根地協・淺野会長の先唱による力強い団結ガンバローを参加者全員で行い、集会を終了した。
集会終了後、情報労連参加者による「まとめ集会」が行われ、中央本部小田嶋運動推進局長から「北方領土問題を解決するには、我々一人ひとりが自分ごととし関心を持たなければならない」「情報労連に集う仲間として各々ができる形で『創り・育てる平和』に取り組もう」と訴え2日間の行動を終了した。
なお、釧路から根室に移動する車中では、色丹島に暮らす一家が戦後に体験した過酷な運命を描いたアニメーション映画「ジョバンニの島」とソ連の樺太侵攻がもたらした戦禍を映す「樺太1945夏 氷雪の門」を視聴し、北方領土問題の実相、樺太真岡郵便局において犠牲となった電話交換手「9人の乙女」の悲劇への理解を深めた。
退職者の会は、戦争の悲惨さ愚かさ、平和の尊さを訴えるためNTT労組、情報労連と連携し、今後も行動を継続していく。