2023年度第2回拡大支部協代表者会議は、5月29~30日、都内で各支部協の会長・事務局長を集め開催され、座長に小宮副会長を選出しスタートした。
森嶋中央協議会会長挨拶
中央協議会を代表し森嶋会長は、「①能登半島地震被災者支援カンパは、短期間の取り組みであったが約5千万円を集約、現役と合わせ約1億円のほぼ全額を見舞い金として被災者に届ける。また、石川・富山・新潟の各支部協の安否確認行動や被災者支援行動に敬意と感謝を申し上げる。②緊急連絡先のシステム登録は概ね順調であり、本取り組みの重要性を鑑み完遂したい。③会員拡大の取り組みは、加入率は52.6%で対前年比1%増の結果であった。会員減傾向はますます顕著である。支部協の財政、役員の担い手や活動のあり方問題なども課題であり、支部協内での現状分析と対応策の検討を早急に進める必要がある。④政治については、先の3つの補欠選挙結果からも国民が岸田政権と与党にNOを突き付けたことが明白であり、立憲民主党は、政治スタンスを明確に主張し、実直に国民に訴えることが重要である。⑤全支部協の協力で5月14~15日にジェンダー平等推進フォーラムを開催した。今、日本が世界に比べて最も遅れているのがジェンダー平等社会であり、政治の分野での遅れは最下位に近い。現状を打開するためにも、社会のあらゆる意思決定の場に女性の積極的な参加・参画が重要である。きたる国政選挙では、衆院選・宮城1区「岡本あきこ」、参院選「吉川さおり」を送り出すことがその第一歩となる。すべての支部協がこの取り組みの重要性を認識し、この目的をより確実なものとして頂きたい。」と挨拶した。
来賓挨拶
NTT労組中央本部を代表して中澤副執行委員長は「①能登半島地震被災者支援カンパの協力に感謝する。生活再建の一助となるよう皆様の善意を届ける。②退職者の会への入会活動は、23年度退職者の加入率は52%で昨年を若干上回ったが、年々低下傾向にあることに強い課題認識を持つ。現役世代から退職者への誘いも意識して接点強化を指導していく。③NTT法をめぐる状況については、来年の通常国会を目途に、NTT法の撤廃も含め制度のあり方についての検討が行われる。社員・組合員の雇用・労働条件にかかわることから、組織内議員とも連携し政治対応を強化していく。④政治状況は、政治とカネの問題で国民の多くの怒りで先の東京・島根・長崎での衆院補欠選選挙で立憲が勝利した。参院選の最大の基本戦略は現役組合員、退職者の会会員の支持基盤を確実に固めることであり、吉川議員本人と組合員・会員が直接に接する機会を増やすことである。残り1年のあらゆる取り組みを吉川の勝利に繋げていく。」と挨拶した。
続いて、電通共済生協、ユアサポート(株)、労連共済本部、きらら保険サービス(株)、(株)ライフアシストの福祉事業体を代表して、春木電通共済生協専務理事が挨拶し「能登半島地震については、現職組織との協働のもとに受付体制の確立や被災に伴う共済金請求への迅速・丁寧な対応に努めている。見舞金事業規約に基づく「大規模災害見舞金」を共済金とは別に支払うことを決定し、新潟・富山・石川・福井での被災された現職・退職者の生協組合員に届ける予定である。年々自然災害が頻発・甚大化する中で、火災・自然災害共済への加入は必須であり、被災による生活へのダメージ、生活再建の厳しさなども強調したい。2024退職組合員の加入促進の取り組みにご支援・ご協力をお願いする。」と述べた。
吉川さおりNTT労組組織内参議院議員は、「2006年、初めての選挙では皆さんのお力添えで全国をまわらせてもらった。今通常国会は、6月23日に会期末となるが、今国会の山場は、政治資金規正法改定になるだろう。政治資金収支報告書等を巡る問題等、この10年以上の一強政治の弊害があらわれている。今こそ現状を転換しなければならない。私は、国会議員として、総務委員会に長く席をおき、今は議員運営委員会や政治倫理審査会に席を置いているがその役割を果たしていく。NTT法改正の問題は、NTT法や電気通信事業法は制定後40年がたち、固定電話全盛からモバイル等へ移り、何度か改正が行われてきた。改正では様々な動きがあるが、引き続き国民の立場に寄り添った政治をつくっていけるよう努力していきたい。5月14日のジェンダー平等推進フォーラムに参加し、大勢の女性の先輩と話しをさせいただき、勇気と元気をもらった。今後も皆さんの代表として前に進んでいきたい。」と挨拶した。
議事
中央協・川辺事務局長より、Ⅰ.今年度の主要な取り組みとブロック会議を踏まえた全国総会への課題について、Ⅱ.「ありがとう」および「つなごう基金」の会計報告について、を提案し質疑討論を行った。
質疑・討論
Ⅰ.今年度の主要な取り組みとブロック会議を踏まえた全国総会への課題について
石川支部協
能登半島地震被災者支援カンパの協力に感謝申し上げる。大きな被害があった輪島や珠洲市では被災直後も現在もあまり変わっておらず断水が続いているため、会員は今も避難中である。会員死亡が関連死により2名となった。住宅被害は400件を超えており調査中である。高齢で施設入所者もいて連絡が取りにくい状況にある。被災会員は現金が必要となっているので、なるべく早くカンパ金を届けたい。復旧・復興に向けた課題は道路であり、金沢から6~7時間かかるので支援活動など難しい状況にある。問題は会員の今後の生活基盤をどうするかであるが、退職者の会は身近な存在として、今後も寄り添っていきたい。また、能登半島地震災害特集号を作成中であり全支部協に届けたい。
中央協
被災された会員へ寄り添った活動を現役と連携し、全支部協の協力で取り組んでいく。
奈良支部協
①中央協主催のジェンダー平等推進フォーラム開催、②組織拡大や政策制度要求、現状の政治課題などについて、退職者連合はどのように考えているのか。
沖縄支部協
ジェンダー平等推進フォーラムでは九州ブロックを代表して報告した。また、他支部協の女性活動の報告やパネルディスカッションでの女性の政治参画を聞くことができた。色々な問題を女性だけでなく全体の問題として取り組み、住みやすい社会づくりを目指していきたい。
中央協
- ジェンダー平等推進フォーラムは、日本退職者連合の野田事務局長をコーディネイターに迎えたパネルディスカッション、講演「防災・減災に女性の力を活かす」、支部協から女性活動報告について、参加者からのアンケートでは良好との回答を得ている。各支部協においてもこの種の取り組みを要請したい。
- 組織拡大については、退職者連合として100万人組織を目指し組織拡大委員会を設置し組織実態調査などを実施し取り組んでいるが、様々な課題があり進んでいない。しかし、各組織のご協力を得つつ取り組みを進めている。政策制度要求は、退職者連合にとっての結集軸であり、その要求実現のため、政治の流れを変え、政権交代を目指し、立憲民主党など政党に働きかけを行っている。
- ジェンダー平等推進フォーラムに参加頂き感謝する。今後の関係などどうするか検討したい。女性議員を増やす重要性を理解頂きたい。
京都支部協
①緊急連絡先登録の取り組みは、能登半島地震被災者支援カンパと同時期の取り組みとしたこともあり、京都では94%の回収率となった。(5/27現在)また、カンパ金もかつてない集約額と賛同者数となった。今後、この緊急連絡先登録を活用する場合の一連の流れ、つまり「発災時の初動対応から会員の安否確認・被災状況の把握」までのフローチャートのようなものを示してもらえないか。特に、登録作業完了までに約2カ月を要するとのことでもあり、災害はいつ起きるか分からない。これまでの「危機管理マニュアル」に基づく大規模自然災害発災時の対応(フローチャート)との関連を含め、早期に明示してもらいたい。
②政治課題について。1)吉川さおり4選に向け「グループ連絡会合同対策本部」の設置が提起されているが、現役との関係で再整理が行われたと理解してよいか。2)現下の政治状況について認識合わせが必要と考える。つまり、「裏金事件」による自民党・岸田政権への世論の批判は、3つの衆院補選、静岡県知事選などの結果に見られるように、野党にとっては千載一遇の「政権交代」のチャンスが巡ってきている。従って、敢えて申し上げるが次期衆院選は参院選の前にあるとの認識に立って、先ずは次期衆院選で「与党の過半数割れ」を戦略目標にして取り組むことが重要と認識する。その結果、与党を過半数割れに追い込む政治状況を作れば、自ずと「吉川さおり」・参院選の展望は明るくなる。3)その観点に立って都知事選の「蓮舫必勝」は「政権交代」の流れを止めない重要な戦いと考える。
和歌山支部協
前回の石橋の選挙では総括を厳しく行ったので今回は二の舞は避けたい。①NTT法改正は現職にはインパクトがあると思うが、退職者にとってもっと応援したくなるような福祉政策等の政策の検討を望む。②吉川が全国を廻ると言っているが限界があると思うので、会員にメッセージを送ることは可能か検討願う。③前回は棄権者が多かったので、今回では期日前投票の強化を勧めて貰いたい。④NTT法改正関連で、会社への働きかけはできないのか。
新潟支部協
「グループ連絡会合同対策本部」設置については情報共有の場として活用したい。①20万票獲得目標については、会員が減少している事を踏まえ非常に高いハードルだ。達成できる具体的な戦術を示してほしい。②支持者・紹介の取り扱いについて、短期集中で取り組む具体的なイメージを教えてほしい。
高知支部協
選挙は勢いであり祭りのようなものでもあるので、都知事選は重要である。都知事選で蓮舫が勝利すれば勢いがつく。政権交代の千載一遇のチャンスであり、勝てる人でないと力が出ない。盛り上がりで選挙を続いてもらいたい。
中央協
- 京都支部協からの①緊急連絡先登録の後の大災害発生時の対応については、発言の趣旨を受け止め、現役と連携しフローチャート的なものを作成する。
②政治課題の、各地域にグループ連絡会単位「合同対策本部」設置については、NTT労組と確認している。必達目標の20万票については、居住者数に応じて都道府県単位に目標数を明示しているが、目標達成のための具体的取り組み等について県域の「合同対策本部」で論議してもらいたい。また、参議院議員選挙前に衆議院議員選挙を行い与党を過半数割れに追い込むという戦略についての認識は一致する。その前段の東京都知事選は、一地方選挙ではなく需要な戦いである。連合方針についても注視したい。 - 和歌山支部協からの発言については、言われている事については、認識が一致するので現役と連携し可能なものは取り組んでいくこととしたい。
- 新潟支部協からの必達目標20万票については、これまでの全国比例代表選挙での当選票数や各産別の擁立動向を加味したものである。グループ連絡会で目標達成に向け、現・退等で論議してもらいたい。
- 高知支部の発言は、認識は一致する。都知事選で勝利すれば勢いがつく。
Ⅱ.「ありがとう」および「つなごう基金」の会計報告について
質問・意見等なし。
Ⅲ.その他
中央協・後藤事務局次長より「NTT労組新聞における帯封の記載事項の見直しについて」を提案し、質問・意見等はなし。
続いて、ユア・サポート(株)小田課長より「退職者相談コーナー」報告を行った。
最後に、座長より各提案について再度確認し、一日目を終了した。
二日目
二日目は、電通共済生協より退職者共済加入促進について、説明と質疑を行った。
はじめに春木電通共済生協専務理事より、火災共済・自然災害共済の制度改定を行う背景等についての説明があり、その後担当者より具体的説明と質疑が行われた。
質疑では、任意共済の現職の加入状況からの将来への危機感、周知活動等への中央協の役割、制度改正に向けた事前説明や勉強会の実施、改正後に想定される掛金未収者の増加や事務処理量増加に対する対応の考え方、周知の時期等について意見が出され、電通共済生協より個々に回答があり、今後質問・回答を整理し全支部協に周知するとし終了した。
以上で二日間の会議はすべて終了とした。