「ジェンダー平等推進フォーラム」は5月14~15日、都内で全国の退職者の会支部協女性役員、現役の退職者の会担当役員など約180人が参加し開催された。
本フォーラムは、社会のあらゆる分野への女性の積極的な参加・参画をめざし、行動を起こすことを目的に、退職者の会としては初の開催となった。
フォーラムは、高見副会長の司会で始まり、初めに退職者の会中央協議会森嶋会長が挨拶、「私たちは、自らが現状を直視し、次代を担う世代が心地よく暮らせる社会を実現させるため、その第一歩としてジェンダー平等社会の実現に向けた具体的な行動を開始したい。現在、岸田政権下で、政治と金の問題、社会保障制度改悪、防衛政策の大転換、物価高などで私たちの生活が苦しめられている。これらの原因は女性の政治参画ができていないからだ。私たちは、構造的な差別を助長している政治を認識し、目的意識的にこの実態を解消するため、ジェンダー平等社会の実現に向け行動を起こす必要がある。また、こうした取り組みを通じて一人でも多くの女性議員を国政に送れるよう協力をお願いする。」と述べた。
続いて、来賓として日本退職者連合・野田那智子事務局長は「労働組合ではジェンダー平等を運動方針に盛り込む組織が80%を超えるが、具体的に行動することが重要だ。後の世代により良い社会をつなぐためにも政治や労働運動への女性の参加・参画を進めなければならない。」と挨拶された。
その後、特定非営利活動法人・イコールネット仙台の宗片恵美子常務理事より『防災・減災に女性の力を生かす』と題した講演が行われた。
特定非営利活動法人・イコールネット仙台は、男女平等社会の実現をめざし、ジェンダーに敏感な視点もって幅広く問題解決に向けた事業を行い、多様な人々とのネットワークを形成し、社会の発展に寄与することを目的とするNPO。本講演では、東日本大震災以降、実施した各種調査等から『復興策定の議論の場に女性の参画が必要である』という調査結果を報告。この調査結果をもとに地域防災リーダーの人材育成講座等の活動を行っていることを紹介し、ジェンダー平等で人権と多様性に配慮される社会を作ることの大切さについて話をされた。
続くパネルディスカッションでは、日本退職者連合・野田那智子事務局長をコーディネイターに、西村智奈美・立憲民主党代表代行衆議院議員、吉川沙織・NTT労組組織内参議院議員、竹井ようこ・NTT労組東京総支部組織内都議会議員、町田春江・NTT労組退職者の会栃木支部協会長、西川明男・元NTT労組東京グループ連絡会会長の5名のパネラーが、活動報告や女性議員を増やすための行動、今後の抱負等をテーマにディスカッションを行った。
西村衆議院議員は、①医療・介護・保育などの政策には当事者性の強い女性が参画することは有効である。世界をみれば女性閣僚は多く、行政に直接声が届いている。②女性が議員になるにはハードルが高いのも事実であるが、党として候補者や支援者に伴走しながら「ジェンダー平等で政権交代」を実現したい。と述べた。
吉川さおり参議院議員は、①2007年にNTT労組組織内として参議院に送ってもらった。②政治は生活や将来を決める大切なものであり、緊張感とバランスが欠かせない。現在は国民が思いを託せる政治とはかけ離されたものとなっている。③先輩・仲間と連携し、情報通信政策や社会保障、災害対策など国民生活の安心に向け行動していく。と述べた。
竹井ようこ都議会議員は、①経済や安全保障も大切だが、社会の基盤となるセーフティーネットの充実が必要だ。②そうした政策を実現するため、立候補するとなれば家族の協力やプライバシーの問題など、選挙運動のあり方を見直さなければならない。と述べた。
町田春江栃木支部協会長は、①女性議員を増やす活動をしているが地方ならではの課題もある。②よりよい社会の実現のためにも私たちは声をあげなければならない。と述べた。
西川明男元東京グループ連絡会会長は、現役では、多くの選挙運動に携わってきた。最近では、有権者が多選の男性議員をさけ、ジェンダーや世代を重視する傾向が強い。選挙運動もSNSを活用するなどし、出産・子育てと両立している組織内議員もいる。と話された。
二日目
二日目は、8名の支部協女性役員による活動報告が行われた。
工藤恒子秋田・角館地区協会長、谷川則子新潟支部協副会長、藤田紀子福井支部協事務局次長、末武君子岐阜・岐阜地区協幹事、吉田みち子大阪支部協事務局次長、藤村直子山口支部協幹事、大森瑞恵愛媛支部協事務局長、喜久里艶子沖縄支部協事務局長の8名により、女性の退職者の会への参加・参画状況や、女性の総会等への参加率アップの工夫、サークル活動やレクリエーションなどの企画・実践の紹介、活動の悩みなどを話し、全体で共有した。
その後、アンケートを行い、全てのプログラムを終了し、今後は参加者が支部協で活動を起こすことを全体で確認し散会とした。
*NTT労組新聞第932号(5/25)紙面でもフォーラムの詳細が掲載されています。ぜひお読みください。