北海道・東北ブロック会議は、4月12日~13日、仙台市のホテルモントレ仙台で開催された。中央協からは、森嶋会長、上野副会長、高見副会長、水野監事の4名が参加した。支部協からは、北海道・青森・秋田・岩手・宮城・山形・福島の各道県支部協の会長、事務局長(宮城は副会長)、オブ参加3名、福祉団体からは、電通共済生協、労連共催本部、きらら保険サービス、ライフアシストが参加し総勢30名となった。
高見副会長を座長に選出し始まった。
はじめに、主催者を代表して森嶋会長が挨拶。挨拶は中国・四国ブロック会議と同様であり、割愛するが、トルコ・シリア地震カンパに対する支援カンパ集約金額は、4月11日の時点で約650万円を報告し、お礼を申し上げた。
続いて挨拶したNTT労組東北総支部橋本副委員長は「①組合員は減少し従来の活動を続けるのが厳しい環境で、新しい組合活動を模索している。東日本大震災から12年、風化させない取り組みをするとともに、被災者に寄り添った活動を行っていく。②会の会員拡大については危機感を持っている。グループ連絡会主催の説明会の参加者が減っている。また、年度途中で退職する人が増えているので、退職者の会と連携を強化し取り組みを進めていく。③政治離れを防ぐため、政治啓発活動を進めているが、退職者の会の皆さんにも後輩の指導をお願いする。今後も地元出身の『岡本あき子』の支援・支持をお願いする」と述べた。
続いて、参加者の自己紹介が行なわれた。
引き続き、各事業体の挨拶、問題提起等については、中国・四国ブロック会議と同様のため割愛。
休憩再開後、上野副会長が①第26回参議院選挙の総括に向けて②既会員の緊急連絡先の生協システムへの登録について③65歳で退職する組合員及び65歳雇用継続組合員の退職者の会への入会④アピール21会員拡大報告を一括提起した。
中央協から提起した課題についての論議
1.会と会員とのコミュニケーション活動について
別紙のとおり、全支部協から活動報告がなされた。
その中で、秋田県支部協、岩手県支部協から「最近の連合本部(特に連合会長)の発言や行動は、あまりにも一方的で無防備。『反自民・非共産』の政治スタンスはどこにいったのか。連合の設立の経緯をからして連合に問題提起をすべき」との意見があり、上野副会長は「連合の『反自民・非共産』の政治路線はいささかも変わっていない。マスコミの取り上げ方で有権者に誤解を与えている部分もあるが、森嶋会長は退職者連合の副会長でもあるので必要なことは発言している。」と回答。続いて森嶋会長は「連合会長は自分の政治信条は別にし、立場を踏まえての立ち振る舞いをすべきである。しかし世の中の流れは変化し、組合員の意識も変り、政治活動に参加せず、拒否反応を示してる。退職者は政治活動に熱心だが、どういう立ち位置で運動するか悩んでいるが、言うべきことは、色々な立場で言っている。」と回答し確認された。
また、電通共済生協に向け、宮城県支部協から「大規模災害が多発する中、生協の処理遅延、支払金に関わるクレームが増加し対応する役員がストレスを抱えている。役割分担を明確にし、クレーム処理ついては生協で対応して欲しい。」と発言があり、福島、岩手県支部協から「共済処理の対応について総支部共済担当との意見交換の場がない。昨年の共済研修の総括を踏まえ、今年度の研修では、総支部共済担当の参加を検討するとしていたが、今回も見送りとなった。」との意見があり、電通生協・藤井常務理事は「①支払金のクレーム案件については、審査委員会で顧問弁護士も交えて審査した。結果が出るまでに時間がかかったことで契約者との関係が悪化してしまった。今後は早く処理ができるよう改善していきたい。②共済担当との意見交換の場については基本組織と相談したが、今年度は統一地方選と重なり実現できなかった。来年は早めに対応していく。」と回答し確認され、一日目を終了した。
二日目
2.第26回参議院選挙の総括に向けて
福島
合同対策本部とはどういうものをイメージしているのか。
中央協
必達目標を獲得するため現役、退職者の会、情報労連で連携し、途中経過、分析を含め一連の流れを情報共有し、勝利にむけ対策を練っていく場と考えている。
岩手
80歳を超えると記憶力や体力的に低下してくるケースがあるので、紹介者カードは有効な手段と思うが、取り組み方について検討が必要ではないか。また、足腰も悪くなり、免許を返上する人も増え、投票に行くのが難しくなり、投票そのものが下がっている。
北海道
- 動向調査で若年層は自民党支持が増えているが、自治労の調査でも同じような結果が出ている。政治に関して全体的に意識を高めないと票の拡大は難しい。
- 現・退一致の活動については、現役がリードすることによりスムーズ運ぶが、現実は厳しく、在宅勤務などで動きが取れず、体制が作れない。中央本部は総支部の体制強化を深刻に考えてほしい。職場オルグでは賃金、労働条件の統一などを優先し、参議院選挙についての優先順位が低く士気があがっていない。
- 次の参院選では、『吉川さおり』の4期目はあるのか。新人であれば知名度がなく、戦いにならないが、いずれにしても早い段階で決めなければ活動もできず難しい選挙になる。
中央協
- 紹介者カードについては工夫の仕方があるが、継続していく方向。高齢化により投票場への足が遠のいたことは全体の課題で、最近では国において、高齢者の投票率対策として研究会が行なわれ、地方自治体においても期日前投票の送迎バスなどが行なわれているが、必ずしも十分ではないので、政策制度として要求していくとともに、退職者の会における仲間による送迎等の支援策の検討が必要だ。
- 自民党の支持については、全国的に同様な状況になっている。若い人が自民党を支持すのは、経済や自己責任によるとの学者の分析もある。政治啓発活動は否定しないが、今の若者は上からの指示や指導に従順に従うことは少なく、昔のようにはいかない。どう立ち向かっていくか現状を分析し強化していかなければならない。
- 現役は組織改革中で、現状が厳しいのは理解するが、選挙戦ではあくまでも司令塔は現役であり、体制については要請していく。
- 比例候補については時間がない。今までの選挙戦では勝てるかどうか難しいが、全国大会で決定すれば、退職者の会は後についていく。
会長
候補者は早く決めなくてはならない。新人を擁立するなら前回の反省を含め戦術を決めていく。組合員は賃金、労働条件が一番の関心課題で、オルグのタイミングとしてどうだったか、今後は慎重に対応すると思う。
福島
グループ連絡会議で現役役員の三役は60歳近いが、その他の役員は20代で転勤が多く、参加者は半分程度、カタカナ企業本部は年に1回程度しか参加しない。現役主導と言われてもどう論議すればいいのか。やらなければならないことは分かっているが、高齢会員には「もういい」と言われ、今回は前回の半分の得票となった。現役とどうやって意識を合わせるか悩みを持っている。
会長
今回の総括の視点は、「今後も組織内候補を擁立し、参議院議員選挙比例代表選挙の取り組みを行うとすれば、候補者自身が積極的に全国の『組合員、会員の下へ足を運び自らの政策等を訴える』このことが最重要」と記述し、このままでは大変ということを認識するため問題提起した。2008年通信労組の会合のためアメリカを訪れた際、オバマ大統領選挙に遭遇したが、テレビ報道の華々しい演説とは違い、全米で労組選対をつくり、職場での朝ビラ、地域での演説など支持拡大に取り組んでいた。何よりも候補者が対面で有権者に訴えることを優先する環境整備をし、行動をしていかなければならない。答えはないが悩みながら、お互い努力していきたい。
宮城
投票で民主党と書かれると、立憲民主党と国民民主党に案分される。略称を変更することはできないのか。
北海道
- 最終総括については、中央本部と整理し、第2回拡大代表者会議で扱うのか。
- 動向調査の回収率は50%に満たないが、投票率の90%超えについては鵜吞みにしない方がいいこのではないか。また、回答しない50%の数字はどのように受け止めるのか。
中央協
- 意見としては受け止めるが、党名の略称の扱いについては、党が主体的に決め、法的にも決められており難しい。
- 総括については、事前に中央本部と意見交換をして差異はないため、拡大代表者会議では扱わない。
- 動向調査の回答者は政治意識が高い人で、割り引いてみる必要がある。
3.既会員の緊急連絡先の生協システムへの登録について
宮城
緊急連絡先の登録についてこれで完成したと思ったら間違えで、東日本大震災の時、安否確認は被災した地域は、自転車で回り答えを出してきた。災害の時には思いを持った行動が必要になってくる。
中央協
意見としては一致しているが、災害時、支部協事務所が被災した場合、生協システムでバックアップしていれば、データの抽出が可能になる。実際の安否確認や被災確認は、被災状況や地域の状況によって異なり、それを踏まえて対応して欲しい。
福島
連絡がつかない会員が増えていて、共済業務をスムーズに進めるにも必要だが、維持管理はどうするのか。
中央協
データの収集は、拒否したり、連絡がとれずに100%とはいかない。データの収集は、1年でも長いと感じており、長ければ長いほど、会員や連絡先の変更等がでてくる。どこかの時点で判断してもらうが、その後の対応は別途、扱いたい。維持管理については、拡大支部協代表者会議で紙だけではなく、スマートフォンによる収集も案として示したが、今後、相談したい。取り組みに当たっては細かい問題が出てくるが、先ずはデータ収集を第一に考えてほしい。
4.65歳で退職する組合員及び65歳雇用継続組合員の退職者の会への入会
山形
65歳雇用継続者は原則組合員で、希望をすれば「会」の加入も可能となっていたが、前回のWEB会議で福井は会加入を優先しているとの発言があったどう捉えているのか。会員拡大は現役の仕事で、分会が対象者に連絡し参加した人の加入率は高いが、カタカナ企業本部が全体の加入率を下げている。対象者が少ない地方の現状を理解して欲しい。
中央協
今まではファジー的な取り組みで、福井は会の加入を優先してきているが、支部協から準会員制の希望もあり本部と議論を交わしてきた。しかし事務処理までは議論されておらず、現実的には難しい事柄がでてきた。理論的には中央協と中央本部であっていたが、各企業本部を含め全体の議論が成熟していなかったため、準会員制についてはストップした。本部が決めた制度については、5月の拡大代表者会議では明らかにしていく。カタカナ企業本部の会員拡大については、事務局長が企業本部組織部長会議、グループ連絡会議に参加し、取り組みの強化を要請している。
5.アピール21会員拡大報告
特になく、受け止められた。
6.その他
北海道
政府は少子化対策の実現に向け8兆円規模で検討しているが、財源については社会保険料からの捻出を考えていて、医療費、介護保険料など更に高齢者の負担が大きくなる。消費税の更なる値上げも考えられているが、消費税は買う、買わないの選択肢はあるが、社会保障は選択ができないため、高齢者は疲弊する。退職者連合は総合的に考えてほしい。
中央協
社会保障は社会全体で支えていくが、焦点をどこに当てるかで変わってくる。社会保障の財源は、年金で言えば現役保険料は、18.3%で固定している。介護保険料は、40歳未満は、免除されている。一番手っ取り早いのは医療とされているが、後期高齢者の保険料は上がり、これ以上の負担はできるのか。国債は、一般会計の1/3を占めている。政府は6月に大綱を示すが、連合がどのように対応するか。退職者連合では議論し対案は出していく。
会長
社会政策は財政問題と切り離せない。政治は生き物だが、消費税は何のための税なのか。防衛費の増額など政策で信頼性はなくなっている。負担のない社会福祉はありえないが、効率の良い財政制度の論議が必要。
岩手
参議院選挙の総括は拡大代表者会議の議題になるのか。議題になるなら、調査結果はグラフ化して欲しい。
中央協
拡大代表者会議では新たに提起しない。動向調査のグラフ化については冊子には掲載されている。支部協にも発送しているので参考にしてほしい。