東海・北陸ブロック会議は、3月28日~29日、富山市のホテルグランテラス富山で開催された。中央協からは、森嶋会長、上野副会長、高見副会長、水野監事の4名が参加した。支部協からは、富山・石川・福井・静岡・愛知・岐阜・三重の各県支部協の会長、事務局長(愛知は副会長)、福祉団体からは、電通共済生協、労連共催本部、きらら保険サービスが参加し総勢25名となった。
高見副会長を座長に選出し始まった。
はじめに、主催者を代表して森嶋会長が挨拶。挨拶は中国・四国ブロック会議と同様であり、割愛するが、トルコ・シリア地震カンパに対する支援カンパ集約金額は、3月27日の時点で約200万円を報告し、お礼を申し上げた。
続いて挨拶したNTT労組北陸総支部江上富山エリア長は「現役の組織状況は組合員14万人でかつての20万人から大きく下回っている。北陸全体では3000人を下回り、富山では340名程度と縮小し厳しい状況にある。また、コロナ禍から引き続き在宅勤務が推進され、会社に出てくる人が少なく、組合員とのコミュニケーション不足により求心力が薄れている。労組の組織的課題は中央委員会で一定のまとめが出されたが、役員の発掘・育成等の課題をどう解決していくか問われている。統一地方選は数字が出る取り組み、ご協力をお願いする。また、退職者の会は老後の生活の一助になっているので会員拡大に向け取り組みを進める。現・退一致の活動は今まで以上に大事になっているので、今後とも宜しくお願いする。」と述べた。
続いて、参加者の自己紹介が行なわれた。
引き続き、各事業体の挨拶、問題提起等については、中国・四国ブロック会議と同様のため割愛。
休憩再開後、上野副会長が①第26回参議院選挙の総括に向けて②既会員の緊急連絡先の生協システムへの登録について③65歳で退職する組合員及び65歳雇用継続組合員の退職者の会への入会④アピール21会員拡大報告を一括提起した。
中央協から提起した課題についての論議
1.会と会員とのコミュニケーション活動について
別紙のとおり、全支部協から活動報告がなされた。
その中で、三重県支部協から「ホームページを立ち上げたいが、精通している人がいないので、中央協で各支部協のサイトを作成し、そこに掲載したい事項のアップだけで済むようにしてほしい。」の意見があり、石川から「現役は中央本部でツールを作成し、各企業本部はそのツールを活用している。退職者の会員もネットを利用する人が増えている。選挙のアピールなどにも活用できるので中央協で検討して欲しい。」の意見があった。上野副会長は「中央本部と同様な作りにするには、ホームページ全面改修が必要になる。47支部のサイトを作ったとしてもどこまでアップしてくれるか、現在ホームページを立ち上げている支部協でも更新されていないサイトもあり、検討はするが、経費もかかるので熟議が必要。」と回答し確認された。
一日目の終了時間を考慮し、提起課題の順番を入れ替え、論議を交わした。
2.65歳で退職する組合員及び65歳雇用継続組合員の退職者の会への入会
石川
ドコモ本部は65歳雇用継続者は組合員で動いている。データは説明会に参加していたが、既に手続きが終了していて加入者はいなかった。地域でも取り組みが区々になっているので、現職は合わせてほしい。
福井
準会員制には違和感があったが、生煮えの状態で中央本部と議論を進めてきたことが、方向転換の可能性がでてきたのではないか。西本部は各総支部にまかせていて、北陸総支部は「会」へ誘導している。中央協と中央本部はどこまで検討しているのか。
中央協
3年前からの取り組みで、N労の姿勢は原則組合員で、希望をすれば「会」の加入も可能とファジーで、支部協から準会員制の希望もあり本部と議論を交わしてきた。雇用継続者が退職した際の情報は、組合費のチェックオフができなくなった時点で把握し会への勧奨を進めるつもりでいたが、当初、本部は自動延長の立場に立っているものの、支部協費の徴収や口座設定などの対応が出てくるなど、事務処理までは議論されておらず、現実的には難しい事柄が露呈された。理論的には中央協と中央本部とあっていたが、各企業本部を含め全体の議論が成熟していなかった。
会長
継続雇用する場合に、どちらを選択するのか、その対応は現職が行ない、会はサポートすることとなる。現状の生協システムでは65歳で総合共済なくなった時点で退職者のビットはたつが、準会員の識別はできない。システムの更改も視野に入れたが経費の問題もあり難しいため、基本組織は準会員制についてはストップした。当初、ブロック会議で準会員制について提起するつもりでいたが、本部の意向を受け、緊急代表者会議を開催しその時点での基本組織の考え方を情報共有してきた。現時点で春闘期間中であったため、現役の議論は進んでいない。いずれにせよ中央協がどうしたいのではなく、本部が決めた制度で組み立てるしかない。統一したものにできなかったことについては謝るしかないが、方向転換の可能性があることも承知してほしい。
二日目
3.第26回参議院選挙の総括に向けて
福井
動向調査の結果で退職者の投票率は95.8%とあるが、実態と違うのでは。退職者のサンプル数が少ないので増やしてほしい。支部協で調査したところ高齢化が進み投票時行けない人が増えている。5,6年後にはさらに進み80歳以上が6割になる。次の参院選では、候補を擁立するのか、新人であれば知名度がなく、『吉川さおり』でも名前を知らない、忘れてしまうなど状況で厳しい選挙になる。応援はするが、相当の覚悟が必要。
静岡
組織内候補でも名前が浸透していない。組織内候補と組織推薦などその他候補者とは、どう違うのか。
岐阜
- 参院選後、角度を変え3度総括しているが、都市部、カタカナ企業本部の対策をやらない限り次回は難しい。次回に向け今どの様な状況か報告が必要、組織内で戦うなら個人名を徹底する難しさもあり、我々に余裕はない。早く決めてほしい。
- 統一地方選で地方は苦労している。地域によっては立憲の候補者がいないため、国民民主党を支援している。『支援』だと具体的にやることはなく、投票する会員は戸惑う。高齢者には単純な選挙方法・戦術で取り組んでほしい。
- 県選管では年齢別に投票率等を公表している。立憲の比例では1位が『辻元清美』、2位『青木あい』で石橋の2倍以上の票を取っている。知名度だけでないと思われるので、連合の産別割り当てなど分析をする必要がある。
- 個人名を徹底するため取り組みを強化しようとしても、コンプライアンスにぶつかる。政治活動と選挙活動の違いは分かっているが、高齢化が進み、候補者名を覚えてもらうには、どうするか難しい。SNSは規制ができないため、新しい戦術も考え次の戦いに備えていきたい。
中央協
- 次回の参院選を戦うなら、母体数が減っているため相当な覚悟必要で、今度の全国大会で決めないと難しい。動向調査は比較的政治意識の高い人が回答しているので割り引いて見て欲しい。
高齢化により投票場への足が遠のいたことは全体の課題で、最近では国において、高齢者の投票率対策として研究会が行なわれ、地方自治体においても期日前投票の送迎バスなどが行なわれているが、必ずしも十分ではないので、政策制度として要求していくとともに、退職者の会における仲間による送迎等の支援策の検討が必要だ。 - 組織内候補者はN労の政策を直接訴えることができる、政治力を高めるためにも必要。
- 中央協は大阪、東京、首都圏に対策会議を行ったが、結果はでなかった。大都市対策、カタカナ企業本部対策については本部に対応していきたい。『支援』の政治的判断は難しいが、自由投票よりはましだと思っている。産別の割り当てについては連合が調整できていない。個人名の徹底について意見は一致する。忘れないため投票に行く前に候補者名を自分でメモしてもらうなど工夫が必要。
会長
- 総括として、このままでは大変なことになるので、今後どうするかは基本組織で考えてほしい。戦うのであれば退職者の会は後について頑張る。組織内議員がいることで、NTT関連法案などの対応で、『いざ鎌倉』を想定した際、最低限の組織内議員は必要と思っている。
- 組織内議員はNTT出身者、準組織内以下の区分けは曖昧なところがあり、その時の状況で決めている。
- 中央の連合の割り振りだけでは役に立たない。産別の協力を得るには選挙時だけでは難しい、中央・地方の普段の付き合いで信頼を築いていくしかない。
- コンプライアンスは守ることが当然で、選挙の事前運動は禁止されるが、準備活動は可能なため見極めて取り組んでほしい。
- 候補者は早く決めなくてはならないが、先ずは、候補者自らが、政策を訴えて行かなければダメだ。組織内候補の2期目以降は、公務があり、会員との接触の機会が少なくなる。公務自体を否定するものではないが、難しくても乗り越えていく必要があり、政治部に伝える。
岐阜
後についていくことは十分承知しているが、勝ちを考えると組織人数からして支部協の力には限界があり、都市部、カタカナ企業本部の対策が重要。統一地方選で県議、市議は大激戦で、維新、参政党など新しい政党が立候補しているが、全国的な傾向か。公明、共産党の組織は高齢化が進んでおり政治の流れを変えるきっかけになるのではないか。
静岡
悩みとして、一般候補者と組織内候補の違いを会員に伝わっていない。昔は局舎に入り政策を訴えることができたが、今は局舎に入ることすらできない。他の候補とどう違うかが見えてこない。
中央協
地方統一選では無投票が増えているが、新しい政党については分析が必要。
会長
局舎への入室について基本は変わらないが、会社が厳しくなっている。対応については、現職が考えてほしい。
通常国会では防衛三文書や予算が決定され、国民の意識調査でも50%の人が賛成している。立憲の中でも防衛産業に関連するところと、それ以外では、だいぶ意識が異なる。維新は身を切る改革以外、議員を増やした後の絵が描けているのか、政策は支持団体が大きな影響をあたえる。しかしながら、連合でエネルギー、防衛問題など基本政策で一致できていない状況があり、危ない方向に向かっていることは間違いない。65歳以上の有権者数は28%で有効投票数は約50%、若い人の意見も大事だが、新しい道を開くため、シルバーパワーで行動をするしかない。
4.既会員の緊急連絡先の生協システムへの登録について
既会員の緊急連絡先の生協システムへの登録について、愛知、三重、静岡、富山の各支部協から意見があった。
特徴的には、「①各支部協で、独自の項目でデータを収集しており、二重管理になる。②会員数が多いためデータは分会ごとの区分コードで分けてほしい。③データ収集は1年位では難しい。また、会員とのやり取りに経費もかかる。④維持管理はどうするのか」との意見があった。
中央協
- そもそも東日本大震災後、緊急マニュアルをつくり、緊急連絡先の把握は、支部協に独自の取組みとなった。そのためデータ収集項目は、それぞれ支部協の思いで作ってきたことから、区々であり、生協システムの項目とは必ずしも一致しない。しかしながら、災害時に支部協のデータが消失してしまうこともあり、生協システムに投入すれば、生協システムはバックアップされている。生協も最初は反対していたが、契約にかかわる連絡先が必要ということで折り合いがついたので、これにのらない手はないことで、生協システムへの登録を提起した。
- データの抽出単位は生協、中央本部と詰めていく。
- データ収集の稼働には、時間がかかるので、郵送や訪問などに関わる経費の負担について、中央協としても考えている。データの収集は、拒否したり、連絡がとれずに100%とはいかない。データの収集は、1年でも長いと感じており、長ければ長いほど、会員や連絡先の変更等がでてくる。どこかの時点で判断してもらうが、その後の対応は別途、扱いたい。
- 維持管理については、拡大支部協代表者会議で紙だけではなく、スマートフォンによる収集も案として示したが、今後、相談したい。取り組みに当たっては細かい問題が出てくるが、先ずはデータ収集を第一に考えてほしい。具体的にはQ&Aを作成し、データ登録の統一を図っていきたい。
5.アピール21会員拡大報告
特になく、受け止められた。
6.その他
石川
結成50周年の記念行事について、石川も50周年で会員に記念品を配りたいと思っているので、中央協、生協からの支援を前向きに検討してほしい。
会長
50周年については、カウントの仕方が47支部協バラバラで全ての支部協が今年ではない。中央協は3年間積み立てをしていて、今年の全国総会後レセプションを計画している。基本的には自前で、予算範囲内で計画して欲しい。