2022度第1回拡大支部協代表者会議は、11月24日東京・大塚のホテルベルクラシック東京で各支部協の会長・事務局長(1支部協欠席)を集め開かれた。
座長に佐々木副会長を選出。「コロナ感染は拡大傾向にあり、当初2日間の日程を予定していたが、急遽開始時間を繰り上げ、1日の開催とした。議事日程をご理解の上、議論を交わしていきたい。」と挨拶した。
森嶋中央協会長挨拶
中央協を代表して森嶋会長は来賓紹介後、「支部協総会は全国で約8割が対面で開催し、19名の方が新役員に就任した。この会議は年間の主要な取り組みを意思統一する場であり、役員交代を乗り越えて、活動の継承・発展を期していきたい。新型コロナウイルスは第8波に突入したが、感染対策を徹底しつつ、支部協の活動が前進するよう意思統一していきたい。主な取り組みは①会員拡大と準会員制度の検討については、ⅰ)会員拡大は昨年、加入率が50%を切ったことを反省し、現役組織と連携し取り組みを強化していく。ⅱ)準会員制度は雇用延長に伴い「会」の加入について中央本部と意見交換をしているが、次年度導入に向け1年間検討していきたい。②政策・制度については、年金・介護制度が24年度に見直しがされるため、政府の検討内容を理解するため来年2月学習会をリモートで実施する。また、退職者連合等を通し具体的な対応していきたい。③政治改革の取り組みは、ⅰ)岸田内閣は閣僚の辞任ドミノで早くもレームダック化し政局はまったくわからない状況にある。ⅱ)参院選の総括はアンケートとヒアリングの結果、外的な要因として政党の分断・連合内の分断、内的な要因としてコロナによる候補者・組織の会員・組合員との接点不足、目標達成に向けた具体的戦略・戦術不足、会員の高齢化が裏付けされた。ⅲ)来年の統一地方選は足腰強化が不可欠。今後、しっかりと総括していきたい。」と挨拶した。
来賓挨拶
はじめに、豊田NTT労組中央副執行委員長は、「①参議院選挙で石橋みちひろは3期目の当選を果たし、予算委員会で筆頭理事として頑張っているが、3年前の参院選より獲得票は3万票減らし、厳しい結果を組織として受け止めている。投票動向調査の速報値(現役)は、投票率は81.8%で3年前より高くなっているが、若い世代ほど投票率が悪く、立憲民主党への支持は低い。また、組合役員からの働きかけについては3割強がなかったと答えている。政治啓発活動、役員育成が急務であり、退職者の会で実施した調査結果と合わせ、来年の地方選、3年後の参院選に活かしていきたい。地方選では、自治体議員団60名が立候補を予定している。②会員拡大について勧誘までは現役の責任で全ての対象者へアプローチしていく。また、企業本部、グループ連絡会へ連携を強化するよう指導していく。③来年の春闘は円安・物価高の状況からしてもしっかり要求していく。最後に今後も現役役員へのご指導をお願いする。」と挨拶した。
続いて、野田電通共済生協理事長は「3年にわたるウィズコロナで多くのことを学び、経験をし、福祉団体として福祉活動の充実を図るため創意工夫をしてきた。12月12日の理事会では退職者への継続加入の取り組み強化に向け、①全ての生協支部で100%を目標に昨年を上回る加入を目指す。②対象者の把握、③任意共済未加入者の対応強化策として、加入資格の期間の見直しを提起していく。今春実施した共済研修は有意義な取り組みとなったことから、今年度も実施していきたい。現・退一致の運動が益々充実するよう、生協のミッションを自覚しつつ安心・信頼に向け取組んでいく。」と挨拶した。
引き続き、吉川さおり参議院議員が、①安倍元総理の国葬問題、②旧統一教会の被害者救済新法、③防衛費の増額や財源確保の在り方、④社会保障費等の国会の情勢について報告し、野党第一党としてしっかりしなければならないと決意を述べた。
議事
休憩後、川辺事務局長が①2022年度活動方針の具体化(別紙1、2、3、4)②組織要覧の校正依頼について(別紙5)について提案した。
質疑・討論
鳥取
準会員制度について、会員側からすると制度が多くあると混乱する。電友会では準会員は会費なしだが、会費を払う段階で辞める人もいる。準会員制ありきで進めるのではなく、ブロック会議で検討して欲しい。
和歌山
雇用延長者がどの位いるのか分からないが、当事者は組合と退職者の会の両方に加入するのか戸惑う。会費や会則の問題等整理して欲しい。
中央協
総合共済を脱退すると退職者説明会がなくなる。雇用延長者は1年ごとの更新なので対象者が把握できなくなるため、入会金はもらい、年会費はもらわないが、組合費はチェックオフなので、組合を退会したのは把握できる。その時点で正規の会員として加入手続きをしてもらう。会則は変更する必要があり、現在、65歳以上の雇用延長者は約900名で、組合の継続加入者は約270名。いずれにせよ今日は頭出しで、ブロック会議で具体的議論したい。
奈良
現役役員の組合員への接点について、退職者の会では会員とのコミュニケーションを図るため、「お元気ですかコール」、会員宅訪問等様々な工夫をしている。日頃からやっていないと、選挙時だけ接点を持とうとしても難しい。また、奈良では、元民主党の国会議員が維新に鞍替えし当選している。立憲民主党の日頃の活動は見えず、維新の方が積極的に活動している。このままでは、来年の地方選でも維新に鞍替えして立候補する議員が出るかもしれない。立憲民主党は危機感を持って取り組まなければ衰退してしまう。
京都
参院選総括にあたり戦略・戦術上の問題について、①「必達目標」の設定について、20万票から途中で30万票に変更(企業本部委員長会議)し、また20万票に戻ったと承知しているが、「必達目標」の変更は戦略上からも致命的ではなかったか。その経緯を含め明らかにされたい。②支持者・紹介者活動の目的は、「集票活動」であると認識する。従って、今後とも工夫を凝らし継続して取り組む必要があると考える。また、「票読み」に連動するこの取り組みにおいては、単に進捗状況を把握するだけでなく、状況を踏まえ次なる一手を繰り出す戦術行使が伴うものでなければならない。この点において、今次参議院選挙においては、「厳しい」との情勢は幾度となく聞くが、状況打開に向けた具体的戦術の取り組み強化の指示などは不十分であった。さらに、現役の「票読み」活動は居住地ごとに行われていなかったのではないか。③組織内、準組織内、重点、政策議員に要請した集票目標について、中央本部として一定の総括が必要と考えるがどうか。
中央協
- 基本的には立憲民主党の地方組織の拡充が重要で、地域党員が声をあげて、強化するよう発信していきたい。
- 必達目標の変更の経緯の質問については、中央本部に伝える。
- 支持者・紹介者カードの取り組みについては、従来の訪問活動等ができなかったことも影響して、29%の回収率となった。重要な取り組みと思ってきたが半数以上の支部協で見直しを要望しているので、やり方を見直すことも必要と思っている。
- 自治体議員団の地域毎の得票数と居住者は調べられる。自治体議員団会議でどのような論議をしたのか、NTT労組に伝える。
- 退職者の会としての中間的な「まとめ」は提出したとおりであり、NTT労組は12月の委員長会議で、今回の参院選について投票動向調査ふまえ論議するとしているので、退職者の会としても、NTT労組の論議をふまえブロック会議で議論し、5月の拡大代表者会議で中間総括をする。
京都
組織内議員の今後のあり様にも関連するが、全国の圏域で対話会等の交流機会を増やすことも重要だが、後援会組織をブロック単位で作ることも必要ではないか。
新潟
次期参議院選挙については資料を見ると「取り組むならば」となっており擁立するか曖昧な表現をしているが、取り組むことを前提に課題を克服する必要があるのではないか。また、参議院選を取り組むにしても、現・退一致で行うにしても、現役常駐役員は県協にしかいない。県支部と県支部協では今回の参議院選においては、十分コミュニケーションを図り役割分担も含め取り組んできたが、現役役員がいない地区協においては、従来のように現・退一致の活動は難しいと考えている。新潟県支部協は会員約3300名の会員がおり手配り人数も約350人いる、今後参院選を戦おうとした場合、各地区における情報労連の現役組合員宅に会報等を配布することも可能と考えている。
いずれにしても、従来の現・退一致の取り組み方法ではない方法を検討する必要があると考えている。
中央協
- 3年後の参院選はこのままでは容易に当選しないと思うが、擁立については現役が決めることで、もしやるならば、後援会組織をはじめ全力で取り組みたい。
- 選挙だけでなく、日ごろの活動を現・退一致で取り組んでほしい。
森嶋会長
参院選はやらないという事はないが、組織内を抱えるかどうかは現役の判断で決意が必要。このままの状況の延長線上で決断できることか考えてほしい。目標に届かなかったことは、カンパ等、日常活動を含め組織の実態を表している。今後どうするかの方向は、きれいにはいかない。
政治活動は、退職者の会としても高齢化の問題等課題は沢山あり、具体的な方向性が出ていないが、克服しないと物事は成就しない。やると決まったら、悩みながらでもやるしかないので頑張っていきたい。
質疑討論終了後、NTT労組情宣部 梅山担当部長を講師に招き、「正しいニュースの作り方」の情宣講座を行った。
情宣講座では、「労働組合の政治活動・選挙活動 機関紙で『できること』『できないこと』」について、①政治活動と選挙運動は違う。②政治・選挙の記事には、決まりがある。③『できること』を徹底的に行なう。等について具体的事例を含め受講した後、質問等を受けた。
和歌山
参院選に向け1月から会員との信頼関係のもと、機関紙で訴えてきたが、今日の話を聞くと全部がアウトになってしまう。納得がいかない。
奈良
支部協では情宣活動はやってきて1300人の会員には読んでもらっているが、N労新聞は読まない人が多い。全体ではどのくらいの人が読んでいるのか。
岩手
アンケート調査結果で、「クロスワードによりその回答を候補者名が導き出せるよう工夫した」との記述があるが良くないない方法ではないか。
情宣部
本日の講座は法律に基づいて説明している。公示・告示前なら論評はできるので、工夫の余地はあり、伝えることが重要。
N労新聞については、「よく読んでいる」が2割程度で、「月1回読んでいる」を含めると7割が読んでいる。今回は号外を1回発行したが、効果についてはアンケートの結果をみて判断する。クイズに景品は付き物なので、景品を出すことは違反に相当するが、今回の事例の詳細は分からないのでコメントは差し控える。
講演後、活動方針を再度確認し、会議を閉幕した。