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NTT労働組合退職者の会

トピックス

2021年12月20日
2021度第1回拡大支部協代表者会議

2021度第1回拡大支部協代表者会議は、11月25~26日東京・大塚で各支部協の会長・事務局長を集め開かれた。
座長に佐々木副会長を選出。「コロナ感染拡大のため、この間各種会議をリモートで行ってきたが、コロナ感染が激減し、2年ぶりに対面で開催することができた。久しぶりに皆さんと顔を合わせて議論を交わしていきたい。」と挨拶した。

森嶋中央協会長挨拶

中央協を代表して森嶋会長は来賓紹介後、「①衆議院選挙の総括については本部の総括を踏まえ冷静に行っていきたい。②本会議は、総会に次ぐ議決機関で2年ぶりの対面となった。コロナ感染対策に留意しつつ、徐々に本来の活動を取り戻していきたい。退職者の会は対面が第一義と考えているが、内容によってはリモートを活用していきたい。③今年度の重点課題の常駐体制の充実については、ほぼ全国的に確立することができた。月曜から金曜の10時から3時まで、会員への対応ができる状況になった。ご協力に感謝する。コロナ感染対策を万全にしつつ、各種行事の活性化、ニュース、お元気コール等の充実をお願いしたい。その先には来夏の参議院選挙での『石橋みちひろ君』の必勝に向けて、推薦、支持拡大のご協力をお願いする。④会員の現状については、脱退・死亡を相殺すると、今年、来年がピークと分析できるが、会員拡大に向け中央協の役割として基本組織と連携することにより拡大の余地はあり、ピークを延ばすことが出来ると考えている。また、財政についてはこれ以上の拡大は望めない。いかに効率的に運営し、透明性と信頼性を高めることが重要であり努力をして欲しい。」と挨拶した。

来賓挨拶

はじめに、豊田NTT労組中央副執行委員長は、「日頃から各県域においてグループ連絡会等を通じながら現退一致の取り組みにご協力をいただいていることに感謝を申し上げる。①衆議院選挙の総括については来年の中央委員会でおこなうが、結果として自民党は単独で絶対安定多数となる議席を確保し、立憲民主党は、改選前より大きく議席を減らした。連合においても産別によって支持政党が別れ、また共産党との共闘に対する反感など、一枚岩で闘えなかったことも敗因の一つだと思う。今、立憲民主党の代表選挙が行われているが、誰が代表になっても、挙党体制を確立し、来年の参議院議員選挙に向けた方針を作ってほしい。NTT労組としては、組織重点候補12人中11人が当選を果たせた。退職者の会の皆様のご協力に感謝を申し上げる。今後、投票動向調査を実施し分析を行うとともに、総括を行う。来夏の参議院議員選挙には危機感を持っている。リモートワークが進み、NTTグループのこれまでの周知活動が難しくなり、どう浸透させるかが課題であり、全国対話を計画し『石橋みちひろ』の3選につなげていきたい。②会員拡大の取り組みについては、現役であるグループ連絡会の責任として取り組みを行っているが、今年の加入率は55.9%で、約半数が会に加入しないということに組織として危機感を持っている。各企業本部やグループ連絡会との連携を密にしながら100%加入に向けた取り組みを強化していきたい。」と挨拶した。

野田電通共済生協理事長は「第82回総代会で理事長に就任し、現在ブロック単位のトップキャラバンを行っている。この2年間生協としてもコロナ禍の影響を受けている。昨年の秋から現役組合員にも加入促進は非対面で資料を自宅へ郵送しているが加入は減少している。退職者の会は、お元気コールやニュース等で創意工夫した取り組みをして頂き、例年と同水準で、積極的な取り組みに敬意を表する。生協加入者は前年度増の35万7328人だが現役はこの10年間減少傾向が続いている。退職者の会は取り組み課題に『備えは重要』として、福祉事業体をフォローしてくれている。今年も自宅発送方式で厳しい結果になると思うが、重点課題の一つとして、退職者の会と十分な連携を取り継続組合員化に向け努力していく。」と挨拶した。

田嶋要衆議院議員は、「4年前の選挙では、千葉1区選挙区で惜敗し比例(希望の党)で復活し、辛い思いをしたが、今回は選挙区で7回目の当選を果たすことができ、ご支援に感謝申し上げる。今回の選挙は党全体では課題を残す選挙となったが、自民党だけには任せていられない。野党として、エネルギー政策を中心に、子供の未来、高齢者福祉に取り組みワクワクするような日本を作っていきたい。今後ともご指導をよろしくお願いする。」と挨拶した。

岡本あき子衆議院議員は、「宮城1区選挙区では惜敗したが、東北比例で1位当選することができ、ご支援に感謝申し上げる。自分と岩手の小沢一郎氏が選挙区で当選していれば、東北の構図は変わっていたと思う。立憲民主党代表選挙は女性が立候補しないのはおかしいと思っていたが、『西村ちなみさん』が出馬し応援している。今後は情報政策、労働政策に力を入れ、そして、自分の力で支援者を上積みできるよう頑張っていくので、ご支援をお願いする。」と挨拶。

山井和則衆議院議員は、「選挙では27年間応援して頂き、感謝申し上げる。今回の選挙で立憲民主党は比例で議席が伸ばせなかった。党の立て直しを行っていきたい。コロナ禍で労働者への影響は深刻で、特に安倍政権の労働政策の中で増えている非正規雇用者へ休業手当が出ないなど、失業者が増加している。フリーランスなど雇用の流動化が進んでいるが、安定的な雇用を守る政策に取り組んでいきたい。来夏の参議院選挙で石橋みちひろ氏の必勝に向け、全力で取り組んでいく。」と挨拶した。

議事

休憩後、川辺事務局長が①2021年度活動方針の具体化(別紙1、2)②2021年度予算の繰越金について③「あいあい」の死亡共済金の送金先変更について(別紙3)④組織要覧の校正依頼について⑤その他・新規加入申込書の記入説明の追記について(別紙4)を一括提案。続いて高橋副会長が⑥NTT戻り調査(別紙5,6)について提案した。

質疑・討論

岩手

  1. ブロック会議共済研修の参加者について、総支部共済担当職員も参加させて欲しい。
  2. 8月23日の第3回拡大支部協代表者会議で「ありがとう会計」について資料提示するとのことであったが、今回提示されていないがどうなっているか。
  3. 12月に退職する人がいるが、新しい「会の新加入申込書」は、いつ送付されるのか。

中央協

  1. 共済研修の主催は生協なので、回答は別途。
  2. 会計年度の関係で、来年の5月の第2回拡大支部協代表者会議で提示する。
  3. 生協職員には、1月の研修会で説明するが、資料は11月末に発送されるので、新しい申込書で対応をお願いしたい。

青森

  1. 本部役員も出席しているので、分会書記局、退職者の会のあり方について問題認識の共有を図りたい。専従役員は分会長一人なのに、期待されることは従来通り。必死に頑張っているが、どうにかできないのか。グループ連絡会を開催しても全員が揃うことはない。財政が厳しいのは承知しているが、分会強化の体制作りをして欲しい。常駐体制について次年度から実施するが、会の運営は交付金だけで成り立つ訳ではない。組織財政検討委員会を立ち上げを真剣に考える時期ではないか。
  2. 退職連合への加入名称については県協も統一して名称変更すべきではないか。
  3. 地域で石橋みちひろの後援会を設立し、後援会ニューを配布するなど取り組みを強化しないと厳しい状況。

中央協

  1. 前回の代表者会議で分会の現状については認識したが、電話対応など支援することはできるが、退職者の会で議論するのは主旨が違う。常駐体制の全国確立は支部協が自立し、会員からの対応への格差をなくし、今後増えていく単身高齢者の相談やコミュニケーションの充実を図り会員にとって安心を提供できる組織となってほしい。全国的には表2~4で示したように、会員数は激減はしないので、できる限り現状維持する。従って財政検討委員会は立ち上げない。
  2. 加盟名称の統一については、産別加盟が基本で一番いいのは統一することだが、支部協によって事情があるので、現状のままとする。

中央本部

発言について認識させてもらう。23年前組合員は22万人いたが、今14万人で組合費は大幅に減少し財政は厳しい。今後、現役と退職者の会を両立していくのか、地域活動をどうしていくのか、東・西主流だった組合員構成は変化しており、カタカナ企業本部は地域活動には参加していないなど課題認識を持たせてもらった。

和歌山

  1. コミュニケーションツールとして、HPを開設して2年半が経ち会員に喜ばれている。
    機関誌コンクールとは別にHPコンクールを設立できないか。
  2. 衆議院議員選挙についての取り組み結果と受け止めについて、「組織の総力を結集し『法令順守』のもと取り組みを展開した」と記載されているが、法令順守という言葉はどういう意味で明記しているのか。
  3. 立憲民主党代表者選挙で誰に投票をすればいいのか、方針を出して欲しい。

中央協

  1. HPコンクールについては検討していきたい。
  2. 選挙の取り組みをするにあたり法令順守のもと活動をやって欲しいので、敢えて記載した。
  3. 組織としては「しばり」はかけていない。地域事情で対応して欲しい。

北海道

衆議院選挙は、自・公の議席3分の2を阻止するのが争点の一つで、野党一本化した結果、北海道12小選挙区の内、立憲民主党が5選挙区で勝利したが、野党共闘の意義を伝える時間がなく、周知不足だった。一本化については色々な意見があるが、余り否定的にならない方が良い。全体的に検証すべき。連合は一本化について構成組織と認識の共有・合意を得るべき。また、岸田政権は賃上げ、優遇税制について発言しているが、春闘前に賃上げが決まれば、野党も労組もいらなくなってしまう。立憲民主党は、マスコミに引きずられて右往左往せず、与党に対抗する政策を国民に明示し、来夏の参議院選挙を戦ってもらいたい。

京都

衆院選の京都6区は現退一致で取り組んだ結果、山井が小選挙区で勝利し、前回の雪辱を果たすことができた。感謝する。京都では、共産党府委員会から立憲府連に対し共闘の申し入れがあり、立憲府連は拒否した。また、6区市民連合からも山井選対に同様の申し入れがあったが、これを拒否して選挙戦をスタートした。6区の地方議員は国民民主党系の議員が圧倒的に多いこと、また、連合京都の国民民主党を支援する一部主要産別からの協力がこれまでになくなかった。過日、連合の総括素案に「支援する産別が、立憲と国民に分かれ、一丸となって戦うことの困難さがあった」と示されている。これら連合は、どう総括するのか、考え方を明確にすべき。また、維新の会の得票数をどうみるか、また、来年の参院選に「京都からは必ず候補者を擁立する」との動きがあること、更には、維新と国民民主党との接近も進んでいる。こうしたことから、「石橋みちひろ」の三選に対し危機感を持つべき。改めて、会員・組合員の再登録活動等による石橋後援会作りが必要ではないか。

栃木

衆院選の取り組みで、分会は苦労していたが、退職者の会として協力することができた。
参院選の取り組みも現退一致で協力していきたい。

中央協

  • 全国的に立憲の比例票が伸びなかった。小選挙区での議席数との関係も含め総括の中に入れていきたい。
  • 後援会づくりは、現役と一体となって検討すべき課題。
  • 連合は働くもの・生活者の視点に立った対応を強化すべき。
  • 参院選について、現役と連携しながら取り組みをお願いする。

中央本部

  • 衆院選で共産党との共闘体制については、必要な戦略だったが、票が逃げたことに課題認識を持っている。
  • 連合に対しては選挙中の発言などに対して、強く問題意識を持っている。今後、情報労連を通して対応をしていきたい。
  • 後援会を外に作ることも大事だが、まずは中を固めることに力を注ぎたい。若い人は自民党に投票する人が増えているが、啓発活動に力を入れていく。
  • 来年の参院選で石橋みちひろの必勝に向け取り組みを強化していくので、協力をお願いする。

続いて、石橋みちひろ参議院議員より、「久しぶりに皆さんとお会いでき顔を合わせて、ご支援に感謝申し上げることができた。来年の参議院選挙まで7か月となった。この11年間国会で奮闘してきたが、経済状況は格差社会、貧困社会が増幅している。安心して暮らせる社会を目指し3期目も頑張っていきたい。衆院選の結果、立憲民主党は改選前の議席を大きく減らし、改憲勢力が4分の3の議席を超え、憲法9条の改正の懸念がある。何としても参院選で勝利し阻止しなければならならない。衆院選はこの4年間、複数の政党に分断され、野党連携のあり方、連合との関係で混乱をまねいた。また、地域組織の取り組みが弱く、今に至るまでできていないところもある。政策は間違っていなかったが、国民に伝えきれなかった。これらを教訓にして、地方組織の強化を軸とする党体制の強化に向け取り組んでいかなければならない。参院選に向け、一貫してめざしてきた『つながって、支えあう社会』を目指し、これまで以上に努力していくので、ご支援・ご指導をよろしくお願いする。」と決意表明した。

二日目は、慶応義塾大学井手英策教授を講師に招き「ベーシックサービス~当たり前に生きられる社会を目指して~」の学習会を行った。

講演内容

衆議院選挙では、与野党とも「分配なくして成長なし!」も政策を打ち出したが、バブル崩壊後、平均1%しか成長できない経済が続いている。成長という言葉は外せないので誰がやろうとも分配するしかない状況になっている。勤労者世帯の収入は共稼ぎ世帯が60%増えているのに、過去最高だった1997年の水準に届いていない。一人当たりGDPは世界4位から25位へ、貧困率も格差の大きさも下位に甘んじていて、「共に生きる」がつうじない分断社会になっている。
「世界価値観調査」で「国民みなが安心して暮らせるよう国は責任をもつべき」との問いに76%が賛同している。つまり困っている人だけでなく、全員の暮らしを保障してほしいというのが、国民の思いで、誰もが必要とする「ベーシックサービス(医療・教育・介護・障害者福祉)」をすべての人に提供しようということ。無償化にするには、消費税を上げて財源を確保しなければならないが、消費税はすべての人が納税者となり、受益者になれる。消費税15%以上で社会保障を積極的に行っているEU諸国の方が日本より貧困格差が小さい。なぜなら、自己責任モデルの国では将来不安のために過剰貯蓄となり、結果として過少消費が経済を減縮させている。消費税を5%下げても低所得層に年間7万円しか還付できない。社会保障制度を持続可能なものにするために、実現可能な大改革を示し、弱者を生まない社会を目指すべき。

これを受けて栃木から、「デンマークを訪問した時、安心して暮らせる国だと実感した。」との発言に「ベーシックなサービスに限定して無償にしているため、国民は貯蓄ゼロでも不安ゼロな国」と井手講師から回答。北海道から「矢野財務事務次官の論文『このままでは国家財政は破綻する』を読み、増税しなくて日本の財政は大丈夫なのか」の質問に、「MMT(現代貨幣論)は財政民主主義という発想がなく、税金を前提としないので、財政は破綻しないが、何も議論もしないで決められるので、民主主義はいらなくなる。将来物価が上がった時点で増税するというのは、次世代の意思決定を阻害する。何をどれくらい使うのか議論する必要がある。」と回答し、講演を終了した。

講演後、活動方針を再度確認し、会議を閉幕した。


会議模様
挨拶する森嶋会長
提案する川辺事務局長
発言する佐々木事務局長(岩手)
発言する嶋田会長(青森)
発言する藤田会長(和歌山)
発言する峯後会長(北海道)
発言する木戸会長(京都)
発言する町田会長(栃木)
決意表明する石橋みちひろ参議院議員
講演する井手栄策先生

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