2018年度第1回拡大支部協代表者会議は、11月30日~12月1日、ホテルベルクラシックで各支部協の会長・事務局長を集め開かれた。
座長に佐々木副会長に選出。冒頭、火事で亡くなられた本間宮城県支部協会長に対する黙祷を捧げた。
石原中央協会長挨拶
中央協を代表して石原会長は「①自然災害の被災者支援カンパ活動は、3600万円余を拠出して頂き感謝申し上げるとともに、できるだけ早く配分できるようにしたい。カンパ活動のあり方は、全国どこでも頻発・多発化しており、どうしていくのかの検討が必要であり、現退一致で対応していく。そして会と会員の連絡体制の取り組みは、年々進んできているが、引き続き、充実・強化をお願いしたい。②NTT労組退職者の会となって20年を迎えた。県等域によっては複数の退職者の組織がNTT労組の組織改革に合わせて県等域一つの支部協となり、ほぼ定着してきた。今の体制を変えるという話はでてこなかったが、いくつかの課題がある。最大は、現役の組織体制が変わり、地域の拠点がなくなってきた。企業本部の会員は、東西を除くと700名を超える状況となっており、職域ではなく地域の仲間として一緒に運動をすることとなってきた。また、女性を活動面や役員でも増やす取り組みが行われてきている。退職者連合へは、NTT労組退職者の会として単組で参加しているが、本来、産別としての参加が基本であり、これをどうしていくのかが今後の課題である。③政治課題では、社会保障が重要である。介護の地域包括ケアの体制が空洞化、消費税が延期される中で中々面倒が見てもらえなくなっている。財政諮問会議での議論は、来夏、参議院選挙後に社会保障費の自然増の抑制や年金改革など痛みがでてくる。社会保障はまさに正念場を迎える。沖縄知事選では玉城氏が那覇市長選挙では城間氏が勝利したが、安倍首相は辺野古の問題には一切聞く耳を持たない態度である。沖縄も徹底抗戦を主張しており全国の仲間も沖縄県支部協と連帯していきたい。参議院選挙では、吉川さおりの三選を勝ち取ることが重要だ。安倍内閣の支持率は、50%台で回復基調、立憲民主党の支持率は6%台、国民民主党は数値が出てこない。支持率6%は、立憲民主党の比例区ではせいぜい3人~4人と厳しく、過去の経験から20万票が必要であり、2割をアップさせなければならない。吉川の個人名の投票は60%、20%は政党名の投票であり、もったいない。家族・友人・知人に働きかけ、全力をあげて取り組む」と挨拶した。
喜井NTT労組中央執行委員長挨拶
続いて、喜井NTT労組中央執行委員長は「自然災害支援カンパでは力強い拠出があり、お礼申し上げる。12月上旬に配分委員会を開催し、速やかに配分したい。NTT労組新聞のコラム欄では、本部周辺のイチョウが昨年と違い、塩害の影響か、チリヂリになっている。もう一度、災害を考えてもらう意味で記載した。本日と明日、リーダーズセミナーを実施しており、対話集会の中で、全国信用金庫信用組合が連合から脱退した話をした。理由は、『組合に入るメリットがない』『生活が苦しい』というのである。労組の存在価値やNTT労組の役割などもう一度見直したい。NTT労組の組織人員が減少し、組織改革にとりくんでいるが、組合員数はどんどん減っていく。無期雇用の組織化も1万人いる中で370人だ。19春闘は、労組が17%しか組織化されていない中で、賃上げの効果が波及・浸透していない。しかし、組合に入っていようがいまいが公正な分配を求めていく。また60歳超え、非正規労働者の賃上げができていない。2%を中心に統一要求というが、とれるものは何か、契約新手当や一時金など要求できないか考えたい。NTT事業は大きく変わっていく。事業展開は、海外では、データはコムズと一緒になりグローバルに事業を展開していく。国内では都市開発とファシリティーズが合併し、地域密着型事業を推進し、その中で県域の人員も減っていく。相談しながら対応していく。参議院選挙では、吉川さおりを当選させるためには何ができるか、大変厳しいと見ている。外国人労働者の課題は与党が国会を軽視している。問題点を浮き彫りにしているが、なかなか見えてこない。年明け以降、統一地方選挙、参議院選挙で組織内・吉川さおり、準組織内森本真治(広島)両候補の必勝に全力をあげる。」と挨拶した。
来賓挨拶
吉川さおり参議院議員は「現国会で入管法の改正が議論されているが、衆議院では総理が外遊前に強行採決し、参議院へ。参議院は、火・木が定例の審議だが、これで18時間となり、会期内に法案は通ってしまう。法律で定める事項を政令にして、質問があっても検討が繰り返し答弁されている。外国人技能制度は、劣悪な問題もありこれまで、7000名、半年で4000名が失踪している。この問題は、この国のあり方、移民生活をどうするかだ。参議院の代表質問を行ったが、今の日本の民主主義の底が壊れかけいる。選挙制度で参議院の定数を増やしたが、明治憲法でいう制約主義だ。」と問題点を指摘。これまで一貫して取り組んできた就職氷河期世代の問題や年金問題を取り上げ、最後に参議院選挙は、立憲民主党比例区候補の中でも女性が一人であることを強調し、戦う決意を述べた。
加藤電通共済生協理事長は「大規模災害では、審査・継続中であるが、3500件超、5億7000万円を支払い、さらに増える。長期的な気象条件は、海面温度は同じと言われており、台風はまたやってくる。台風、地震、噴火、豪雨に備えることが必要だ。長寿社会の中で『がん』は第一位、健康面で平均寿命と健康寿命との差は、男性9年、女性13年であり、その空白期間をどうするかだ。年金は、34か国中29位で劣悪ランクの最低Eだ。社会保障は、構造問題とも言え自助の対応が求められているが、共助も重要である。福島における東日本大震災の原発避難地域11人が最後の確認ができなかったが、11人中5人の追加支払いを行った。最後の一人まで丁寧な対応を行ってきたい」と述べた。
議事
休憩後、川辺事務局長が①2018年度活動方針の具体化(別紙資料を参照)②組織要覧の校正依頼について③ありがとう会計の報告(口頭)、④ライフアシスト誌の今後の扱い(口頭)を一括提案した。
質疑・討論
(鹿児島)自然災害カンパは、電通共済生協の助け合いの取り組みを重視し、安易に行うべきではない。当初のカンパ対象から台風や北海道胆振地震が追加されたが、現役は、会議等で積み上げて議論されるが、退職者は、中々そうはいかない。対象をどう決めたのか。鹿児島の島嶼部では毎年台風の被害がでている。カンパの会員からの送金は、1000円に対し、600円の手数料がかかる。カンパの集め方を考えるべきだ。
(愛知)カンパの集め方は、郵便局からの送金とし、中央で一本化できないか。(住所・氏名を書くので県単位の集計ができるはずだ)
(中央協)生協重視はそのとおりだが、電通共済生協に加入していない会のみ会員も1.5万~1.6万人いる。それら困った人達を助けるにもカンパが必要だ。7月の豪雨、大阪北部地震でカンパ活動を開始したが、その後台風や北海道胆振地震もあり、再度のカンパとはならなかった。毎年のように被害がでるとは言い切れないが、激甚災害地域など一定の線引きを行った。送金方法など色々と意見があるが、ブロック会議でも議論を行い、5月の拡大支部代表者会議で一定の方向性が出せればと考えている。
(山形)会員の拡大について、2月に現役と一緒に説明会を行い、その場で申込書を書いてもらったが、ファシリティーズ、ドコモの退職者がその後、会費を集める段階でそのままになってしまった。
(中央協)加入者届けは、生協支部から各企業本部に送る仕組みであり、洩れているとすれば調べるしかない。ただし、どこの所属となるかは本人の選択であり、そのままになっているとしたら問題だ。
(熊本)退職者連合にはNTT労組として加盟しているが、情報労連の産別加盟となると通建連合など考える必要があるが、会長挨拶の真意は。
(中央協)退職者連合は、産別加入が原則だが、実際のところ難しい課題だ。現在、県退職者連合には、情報労連の名前で加盟しているところ、NTT労組として加盟しているところがある。通建には、退職者の会・OB会はあるが、NTT労組退職者の会と一緒にやるのではないという受け止め方があり、現実的に難しい。
(青森)吉川議員の全国まわりについて、青森にも入った。県内4カ所、11地区協の会員と親しく話し合いができた。現役と一緒に運輸労連にも入り、職場でも話ができたが、NTTの職場は入れない。会社側が認めない。全国的にどうなのか。全国区・地方区は、立憲民主党の推薦が前提としているが、青森では、参議院地方選挙区、統一自治体選挙は、国民民主党が主となっている。参議院選挙は、地域のグループ連絡会は、分会まかせになり、データやドコモなどとの連携はうまくいっていない。退職者の会の特別代議員制度廃止の動きもある。
(中央協)立憲民主党と国民民主党との関係は、NTT労組の政治方針では、お互いの立場を尊重する。参議院選挙の闘争方針では、吉川さおりを当選させるため、立憲民主党を軸に、地方選、その他は、地域事情を踏まえ決めるとしている。
特別代議員制度の廃止は、全国的に波及するとまずい。2名のところを1名とすることで調整している。ゼロはないと思っている。
グループ連絡会との関係は、全国的には企業本部も入ってやっている。県単位にみると体制ができていないところもあり、穴が空きそうなところは夫々のところで努力していく。本部組織部には、退職者の会の支部協役員に現役が入っているところ、いないところもあり、改めるよう申し上げている。
職場に入るというのは組合活動の一部であり、入れないというのは異常だ。がんばっているところもあり、本部と対応しなければと考えている。
続いて、電通共済生協高田専務より、「電通共済生協の現状と課題」をテーマに提案が行われた。
これに対し「①給付請求について、県協を通したものと直接生協本部に行ったものとでは扱いに違いはあるのか(山形)、②生協支部は支部協傘下に5つあり、退職者の会を通して652件の給付請求があり、日常常務を圧迫している。コールセンターや相談コーナーでの受付分は、そこで処理できないか。退職の会に関連する総合的な窓口を作ってもらえないか(東京)」の意見があり、電通共済生協からは「①生協本部で直接受けたものと支部協を通しものとでは扱いは基本的に変わらない。一日も早く処理したい。今回の件で苦情が多かったのは、現調に来ないため対応が遅かったというものだったが、件数も多かったのでご理解を②東京支部協の意見は、改善策が講じられるのか、情報労連・生協支部との関係を含めて課題を把握した上で考えたい」と答弁し、確認された。
二日目は、川辺事務局長から「当面する政治課題」、中野NTT労組中央本部情宣部長より、「選挙と労働組合の情宣活動」、五百蔵(いおろい)弁護士より「違反のない選挙をどう闘うか」(公職選挙法)について、それぞれの提案・講演を行った。
これを受けて各支部協からは「コンプライアンスと言われると何ができるか」や「公選法でグレーゾーンと言われるものはできるのか」など現実的に選挙戦を戦う上での真剣な意見が出された。
五百蔵弁護士は「特に公選法は、合法と違法の間にグレーゾーンが広がっている天下の悪法。何が合法で何が違法かを考えてはいけない。何が合法で、何が違法かを覚えることが大事だ。特に金銭がらみは、連座制の適用となるので、一切支払わない、もらわないことを徹底すべだ。」と分かりやすく説明した。
各支部協もこの講演を受けて、吉川さおり組織内候補の三選をめざし、戦うことを全体で確認し、会議を閉幕した。