2017年拡大支部協代表者会議は、11月31日午後2時~12月1日、全電通ホールで各支部協の会長・事務局長を集め開かれた。
議長に佐々木副会長を選出した。
石原中央協会長挨拶
石原会長は、「解散・総選挙は、安倍1強政治を打ち崩す絶好のチャンスだった。民進党は前原代表の下でも離党者の流れが止まらず、支持率は低下の一途という危機的状況が進行した。これが混乱の根源だ。そうした中で退職者の会は、『安倍首相の暴走を止めることを基本に、組織内・準組織内・重点候補を最優先に候補者の必勝を期す。ブロック・比例の政党名は、対応するグループ連絡会・総支部などと連携する』とのNTT労組の方針を支持して全力をあげることとした。解散から投票期間まで4週間足らず、前代未聞のめまぐるしい政治の動向、全支部協が総会シーズンに突入していると言う中で、退職者集団のコミュニケーションの困難さはあるが、グループ連絡会と支部協の連携の徹底を要請した。個々の会員までの徹底は、極めて困難だったが、グループ連絡会との連携はかなりの程度図られたと判断する。今後の政治結集軸は、現時点では結論は出せないが、現・退一致の基本を踏まえ、現役と相談して判断していく。そして吉川さおり参議院選挙の取り組みでは、政治状況は厳しいが、一歩一歩着実に進めていく。」と述べ、組織内・準組織内、重点候補の全員当選に対する感謝を表した。
また、今年度の活動方針の具体化では、12万人を擁する組織としてコミュニケーションの充実と会員が参加しやすい活動、退職者の会の活動の基本である支部協・地区協組織の機能強化、もしもの時の会との連絡体制の充実、医療・介護の実施場面となる地域包括ケアを意識した地域への対応強化、平和4行動をはじめとした反戦・平和の取り組みを強調した。
そして「来年、NTT労組退職者の会第20回全国総会に向けては、NTT労組体制になってから、地方協議会の廃止、一県1支部協議会体制、全国総会への定数制の導入、ブロック会議などの運営を行ってきたが、この節目に変遷をたどりつつ再確認していきたい」と述べた。
吉川さおり参議院議員挨拶
吉川参議院議員は、「民進党はまだ残っている。これからどうすべきか、現在開かれている特別国会の会期末(12月9日)までには方向性を出す」と述べた。その後、これまでの国会における共謀罪の強硬採決、憲法53条に基づく臨時国会を自民党が無視して、内閣改造、解散、民進党と希望の党との合流、立憲民主党の立ち上げ、衆議院選挙の結果までの一連の流れと経過について述べ、来る参議院選挙に向けては、政治姿勢はぶれずにやっていきたいと決意表明した。
NTT労組中央本部挨拶
安藤NTT労組中央本部副執行委員長は「新体制発足後5ヶ月経過したが、『職場を原点とする』を基本に目標に対して2年間で結果を出していきたい。組合員の減少と財政の減少は続いているが、運動を縮小させてはいけない。これまで培ってきた運動的な財産を次の世代にどう引き継いでいくかを意識して取り組んでいく。NTT労組は、20年目の組織運営を展開しているが、来年の全国大会は、郡山を予定しており、東日本大震災の復興祈念を行いたい。NTT事業経営は、堅調であり、増収・増益であり、この4年間賃金改善してきたが、来春闘は、12月に春闘要求書議案をつくる。」と述べた。
続いて衆議院解散・総選挙については「解散・総選挙では退職者の会の取り組みに感謝する。混迷した政治状況への対応では、本部にも退職者の方から厳しい叱声を頂き、支部協にご苦労をおかけした。9月27日全国総会のあと、民進党が希望の党との合流を打ち出した。民主党が下野して政権を降りて以降、民進党となり、支持率が下がったが、地域組織づくりや政策の一本化などもっと根本的なところに原因かあったのではないか。当時は、140名の推薦も終わり、個々の候補者とは政策協定も結んでいたが、希望の党のところへ行き、自民党と対峙すべき勢力が、排除の論議になり、分裂して立憲民主党、希望の党、無所属に分かれて戦うこととなった。政策協定を結んだ候補者とはどの政党に行っても連携はできると判断した。組織内宮城1区・岡本、千葉1区・田嶋、準組織内京都6区・山井、重点13名の党所属は、希望の党、立憲民主党、無所属に分かれたが、16名の候補者を当選させることを最大の目標にし、比例ブロックは、その候補者の政党とした。今後どうするかだが、現時点では一つの政党に決めることは連合が分かれてしまうことを考えると得策ではない。しかし、結果として自民党を利することにつながってしまう。民進党の支持率は1%であり、これを立て直すことは難しい。選挙制度を考えると大きな勢力をつくらないと勝てない。32選挙区が1名区であり、野党バラバラでは勝てない。次の次ぐらいに勝負を賭ける努力が必要であり、政策・理念など連合が結集できる方向を見いだしていく必要がある。国会では、希望の党、立憲民主党の議席が少なくなり、委員長ポスト、質問時間も減らされている。地方議員や地方組織をどうするか、刻々と動き出している。一つにと言っても難しく、接着剤は連合が担わないと難しい。連合内では、慎重に見定めるというのと大きな塊をつくるがあるが、時間軸が合わない。労組としては、早期に方針を固めて行くべきだと考えているというのがあるが、見極めなければ、産別としての決断が求められる。吉川参議院議員をどの政党から出すのか、地方選挙などが宙ぶらりんになる。産別としてどうするか時間を頂きたい。吉川参議院議員の戦いは、比例代表であり、1000万票を獲得できる勢力がないと16~17万票では難しい。どういう政党が良いのかジャッジしていく。退職者の会も一人でも多くの会員に政治参加を求めていくことが重要だ」と述べた。
福祉事業体挨拶
高田電通共済生協専務は、福祉事業体を代表して挨拶した。最初に福祉事業体への協力に感謝を申し述べたあと、「退職者の会の平均年齢は72歳であり、高齢化が進展している。昨年、退職した方で10年以上総合共済に加入しているが、任意共済に加入していない方が1400名いる。先輩からも声をかけて欲しい。少子高齢化、人口減社会で電通生協の組合員も減少し、事業にも影響を及ぼし、退職者の会も10年、20年先では大きな影響がでてくる。生協組合員は、35万2000名で、家族を入れれば130万名であり、日本の人口の1%ということを大事にしながら事業を進めて行きたい。『職場を原点に』には、福祉活動もある。現・退一致で福祉事業体が汗をかきたい。」と述べた。
各種提案・報告
川辺事務局長から①2017年度活動方針の具体化について(別紙1)②全国総会の議長選任の取り扱いについて(別紙2)③支部協等会計について(別紙3)④消息不明会員について(別紙4)⑤組織要覧の校正依頼について⑥ありがとう会計の報告について(口頭報告)を一括提案・報告した。
質疑・討論
鹿児島
- 組織拡大は、未加入者が多い。地区別を含めて分析しないと分析にならない。
- 証拠書類の保存期間の定めだけでいいのではないか。7年は長すぎる。
宮城
- 消息不明者は、2年間保留。その後脱会となるのか
群馬
- 「消息不明者所属異動申請書」はいつの時点で出すのか
三重
- 消息不明者は口座が生きていて消息不明になったものか
福井
- NTT退職者支援策について、西会社は、電電記念日をやっていない。決算は好調であり、OBのおかげだと言っているならば形にあらわせないか。白寿はオールジャパンで1000名程度だ。もう少しありがたいという時期にできないか
- NTTは、光コラボレーションで、業者から電話がかかってくるが、言葉が難しくて分からない、もう少し理解しやすい情報提供を要望する声がある。
山形
- 減災・防災というが、退職者の会としては、災害の被害を少しでも小さくするために、たとえば避難ルートの設定などやれるものはやることで良いか
鹿児島
- ユアサポートで管理している25名の消息不明者のリストはもらえるのか
中央協
- 組織拡大のデータは、生協は、総合共済10年1ヶ月加入している任意共済加入者、我々は50歳以上でカウントしており差がでる。また、情報労連は、自社再雇用者を含んでおり分母が大きい。全国平均で加入率が低いところは引き続き分析する。
- 会計については、各支部協の自主性を尊重することで対応をお願いしたい。保存期間7年間は、現役に準じて決めたものであり、理解をお願いする。
- 現状、支部協では会員が消息不明になり、支部協会費等が二年間納入されなかった場合、会則6条に基づき脱会処理しているが、銀行口座等から支部協会費等が自動引き落としされている消息不明会員については、「会」加入だけの会員と、生協と会の両方に加入している「ダブル加入」会員の方がいる。「会」加入だけの消息不明会員については、支部協から「消息不明者所属異動申請書」を中央協に提出し、中央協が受理した時点で、「会」は脱会処理になっているが、ユアサポートでは、消息が判明した場合に備え別管理している。
「ダブル加入」の消息不明会員については、生協で共済契約もあり役所紹介等により調査し、消息が判明した場合は、支部協と連携をはかり対応していますが、なおかつ不明の場合はユアサポートで管理している。
今後、消息不明会員については、「どうしても見つからない」と支部協が判断し中央協に「消息不明者所属異動申請書」を提出した場合、「会」加入だけの会員および「ダブル加入」会員について、ユアサポートでは、支部協会費の口座自動引き落としを停止し、二年間別管理し、二年後に支部協へ管理をはずす旨連絡する。支部協においても会員数にはカウントせず二年間「保留会員」とし、管理をお願いする。
なお、ダブル会員の生協の共済契約については、今後とも生協側で管理していく。(ダブル会員は、現在26名中4名)
本部
- 退職者支援策は、会社として支援するものとして行うもので、色々と違いがある。事業部長の権限でやっており、白寿は、タイミングをとらえて伝えたい。
- 光コラボについて難しい案内については、OB・先輩の方が難しければ一般の方への案内はなおさらだ。どこかの時期に伝えたい。
一日目は、以上をもって終了。会場をホテル聚楽に移して懇親会を開催。この中では、今回、役員の交代があった新会長、新事務局長が自己紹介を行い、和気あいあいの雰囲気で交流を深めた。
< 二日目 >
質疑・討論
質疑・討論では、組織内候補及び隼組織内候補、重点候補を抱えた支部協を中心に千葉、宮城、京都、佐賀、沖縄、北海道の6支部協から共通的な意見が出された。その特徴は次のとおり。- 当選に対する組織へのお礼と感謝
- 民進党が希望の党、立憲民主党、無所属に分かれ分裂した。誰が責任をとるのか。
- 電話戦術などでは、候補者への理解は得られるが所属政党への批判があり、苦労した。
- 総括をできる限り早く出しもらいたい。
- 地方退職連合でも悩んだ。
- アピール21は、取り組みが難しくなった。
- 統一自治体選挙、地方選挙、参議院選挙、地方組織についてどうするかできる限り早く方向を出して欲しい。
- 野党は良心的な保守を含め小異を捨てて大同につくことができれば小選挙区は勝利できる。
- 国家観、歴史観、憲法観の価値観をある程度共有でることを軸に政治方針をつくりあげるべきだ。
これに対し川辺事務局長は、「今回の選挙戦では大変苦労された。希望の党と立憲民主党の狭間の中で難しい対応が各地であった。会員の方への説明がつかないとの苦労もあった。今後どうしていくのか、安藤本部副委員長のとおりであり、早い段階での結論、しかも連合が股裂きにならないことを前提に大きな塊をつくっていくことが重要だ。アピール21は、NTT労組の政策を支援する方に対応しており、ご苦労をおかけするが、引き続き拡大の努力をお願いしたい」と答弁した。
石原会長は「全国各地で取り組みの展開が違った。候補者も違う。特に東北は、連合が希望の党が大勢であり、立憲民主党は、岡本あきこのみだった。そうした違いの中で組織内、準組織内、重点候補の当選を最大限確保することを中心に取り組んだ。吉川選挙をどうするかだが、とりあえず、今の段階では吉川は、NTT労組党として取り組む。アピール21の取り組みも吉川を支持する取り組みとして努力して欲しい。また、今後の展開について、希望の党も立憲民主党も年内に地方組織を立ち上げ、地方議員の入党を求める動きを強めているが、今、そんなことをしたら矛盾が拡大する。どうやって太い結集軸をつくるか、中道良心派を結集しなければ政権は取れない。民進党や連合がどう考えるかだ。」と答弁した。
日野中央本部組織企画部長は「総選挙についてご苦労をおかけした。まずはお礼申しあげる。政治状況が刻々と変化する中で、如何に最適に対応するかで対策を練った。NTT労組は、安倍1強政治を何としても倒すことを最大の戦略目標とした。三つに分かれたが、政党の支持はできなかったものの推薦候補者の必勝に向けて最大限取り組んだ。悩ましいことを申し上げ申し訳なかったが、戦略・戦術は間違っていなかったと判断している。今後どうしていくのか、連合でのまとめ作業が進んでいるが、産別としての意見を提出する。今月21日にはまとめる。参議院選挙、中間選挙を踏まえ、早い段階で連合方針をまとめたい。選挙総括は、衆議院選挙投票行動調査のアンケート結果も踏まえ、来春の中央委員会に提起する。」と答弁した。
拡大支部協代表者会議は、この答弁を全体で確認して、閉幕した。