2016年度拡大支部代表者会議は、11月28日午後2時~29日、全電通ホールで、各支部協の会長・事務局長を集め開かれた。
一日目
最初に、上野副会長を司会(議長)に選出し、開会を宣言。
石原会長挨拶
中央協議会を代表して挨拶した石原会長は、各支部協の総会に参加したところの受け入れに感謝を述べたあと、熊本では「頻発する地震の中で総会が開かれた。電通生協の特別措置を含め共済金の支払いと義援金について熊本の会員から、全国の仲間の皆さんへ感謝が寄せられている。改めて、防災・減災の取り組みの再確認、危機管理や安否確認、被害状況の把握では、現役や電通生協との連携が必要である。熊本の義援金を届けた際にようやく遠隔地から帰郷した被災者がいたが、会への安否連絡は、直ぐにとはいかないまでも、会員からの連絡が必要であり、そのための受け皿の整備が不可欠だ。参議院選挙では、従来以上に取り組んだという実感があり、そのことが石橋再選につながった。投票動向調査結果を踏まえ、3年後の参議院選挙に向けて検証が必要であり、ブロック会議で論議していきたい。
参議院選挙全体では、大幅に議席を減らした。青森市長選挙では、公明党に半分負けた。民進党が政党支持なし層にどれだけアピールしていくのかが重要だ。自民党に対抗する政策課題があっての野党共闘だが、そう単純ではない。個別の政策では、多数の人が自民党の政策を支持していないものの、支持率は高い。日本政府は、核兵器廃絶条約に反対したが、まさに暴挙であり、世界から日本が大きく変わってしまったと思われる行動をしてしまった。憲法前文では、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して-とあるが、安倍首相は、トランプ次期大統領を信頼するというのではなく、民衆を信頼して対応すべきだ。退職者の会の共通の悩みは、新入会員が増えているのに対し、会活動への参加は難しい状況にある。新入会員への歓迎会やプロジェクトなど進められているが、問題認識を持ってブロック会議で議論していきたい。」と述べた。
相馬NTT労組中央本部副執行委員長挨拶
相馬NTT労組中央本部副執行委員長は、「2017春闘の連合方針は、『所得の向上による消費拡大を通じた経済の好循環実現』であり、賃上げでは、ベア2%相当、定昇を含め4%であり、NTT労組としても連合方針を踏まえ、従来の方針を踏襲して検討していく。NTTグループの経営状況は、減収増益であり、堅調に推移しており、通期も上方修正の見通しであることから、昨年を下回る要求とはならない。政治課題では、新潟知事選、東京10区補選、福岡6区の補選があったが民進党と連合の関係が問いただされている。新潟では、民進党と連合の話し合いが行われ、結果として泉田知事が出場撤回後、独自候補の擁立ができず、森氏を支持、民主党は、自主投票となったが、直前の段階で、米山氏は、民進党を離党し立候補した。連合がエネルギー問題で森氏にしたというものではない。米山氏への応援は心外だ。また、東京10区、福岡6区の補選についても民進党と事前に確認した事項について民進党がそれを超えた対応を行ったというものである。いずれにしても、現在では、連合と民進党の修復はしている。参議院選挙の野党共闘は、32の1名区で一本化したが、連合としては、選挙戦術として容認したものの、政権選択の衆議院では、基本政策の一致がなければ民進党・無党派層の結集にいたずらに混乱をもたらす。現状、地方連合などからみて画一的な対応は、難しいが、野党第一党として自助努力をしていくことが大事。3年後の参議院議員の組織内議員の扱いについては、検討している。組織関係では、組織人員について、退職者は会員拡大の一途を辿っているが、現役組合員は、16万4000名で5000名減少し、歯止めがかかっていない。それに比例して収入が大幅に減少している。来年の基軸大会は、NTT労組として20回目の大会となる。組織改革検討PJで雇用環境が大きく変わる中でどう組織強化していくのか次代につなぐ方向を打ち出す。解散・総選挙は、予断を許さない。年金改革関連法、TPP関連法あるが、これらを想定して準備していく。千葉一区・田嶋要の再選、重点・推薦候補の必勝を期したい。」と述べた。
来賓挨拶
加藤電通共済生協理事長挨拶
電通共済生協並びにユアサポートを代表して挨拶した加藤理事長は、災害に伴う給付金・特別措置の支払い状況を述べたあと「医療、年金、介護に加えて子育てが少子高齢化の課題であり、負担と給付のあり方が問われている。電通生協は、来年50周年を迎える。相互扶助がスタートであり、かつて『ゆりかごから墓場まで』という言葉があったが、働いたあとでも退職組合員、遺族組合員に取り組み今日に至っている。電通生協の組合員は35万名で横ばい状況にあるが、65歳以上は40%を超える。電通共済生協50周年を契機に引き続き検証していく。生協共済は、厚労省との折衝で時間がかかったが、生命共済の年齢の引き上げ、限度口数の拡大、掛け金の引き下げ、そして親介護についてのサービスについても理事会で決定後、指し示すこととしたい」と述べた。
太田労連共済事業部長挨拶
太田労連共済事業部長は「預託金については、2010年12月をもって廃止した。丁度7年で時効が成立する。未返還者は230名で1000万円を超える。7年経つと処分が可能となる。来年に向けてどうするのか、処分するのか保留するのか、処分するとすればどういう方法があるのか、230名の所属確認も必要だ。これから相談し、来年の拡大支部代表者会議で相談したい」と述べた。
八坂きらら保険サービス代表取締役副社長挨拶
きらら保険サービス、ライフアシストを代表して挨拶した八坂副社長は「厚労省は医療や介護の負担を一定程度収入のある高齢者の負担を上げ、現役の保険料も引き上げようとしている。まるで、自己責任型の社会保障と言わざるをえない。まさに自己防衛を図ることが必要だ。福祉事業体は、現役を中心にして社会状況に適合していくが、OBは、今の治療環境にマッチしたサービスとするよう、退職者の会と連携し、取り組む。」と述べた。
各種提案・報告
川辺事務挙局長は、①2016年度活動方針の具体化(第24回参議院議員選挙の総括を含む)②組織要覧の校正依頼について③ありがとう会計の報告及び熊本地震カンパの最終報告について一括提案・報告が行われた。(①の資料は、別紙1・別紙2)
質疑・討論
2016年度活動方針の具体化での質疑・討論では、次の意見がだされた。
- 年金改革関連法について中央協の見解は(愛媛)
- 会議関係
- 5月の拡大支部代表者会議は、プラス共済担当ということだが、そもそもは事務局長+共済担当者ではなかったか(三重)
- ブロック会議では、オブについて断られたことがある。(鹿児島)
- ブロック会議では、事務局次長をオブに加えて欲しい。(青森)
- 退職者の会からの送付方法
- 退職者の会から生協への書類の送付は、追跡できるレターパックとなっているが、費用はかかる。これまで親書等の紛失はあったのか(佐賀)
- レターパックではなく、普通郵便ではだめか(鹿児島)
- 選挙関係
- 市町村別得票分析は、現役の役割ではないか。選挙活動は、コンプライアンスは否定しないが、現役も知恵をしぼってやってもらいたい(三重)
- 現役・NTTグループ連絡会との連携に悩んでいる。現役組織は青森に集中し、地域では、退職者の会が担っている。コンプライアンスも大事だが、労組の政治活動は、正々堂々と組合員を指導すべきだ。(青森)
これら意見に対し、川辺事務局長並びに石原会長より答弁があり、全体で確認された。
- 年金改革関連法
- 自民党が今国会で提出している年金改革関連法については、退職者連合幹事会で議論されていない。退職者連合は、8月の政策制度要求の議論で、マクロ経済スライド、キャリーオーバーについては、名目下限方式について維持し、次世代の年金水準を確保するためにやむおえないとの見解だが、新ルール(物価と関係なく、物価と賃金のどちらか低い方に合わせる)については、態度を鮮明にしていない。
- 民進党とはうまく連動しておらず、5年後の財政検証の論議となっている。今後の課題と認識している。
- 会議関係
- 5月の支部協事務局長会議は、福祉を中心に開催してきたが、福祉の面では、電通生協にブロック推進部長が配置され、対応している。昨年からブロック会議の総括や全国総会への課題もあり、拡大支部代表者会議にした方がいいのではないかと考えている。
- 予算的には支部協代表者会議、支部協事務局長会議は、それぞれ2回計上しており、これを一緒にして開催することの方が会の運営上うまくいくのではないかと考えている。
- ブロック会議のオブは、断ったのではなく、多すぎたので調整をお願いしたものである。オブを出したいとの希望もあるところがあり、事前に言ってくれれば調整する。
- レターパックは、追跡できるメリットがある。これまでも紛失した例はあり、個人情報なので、レターパックは大事であり、生協に関する書類送付の費用は生協持ちだ。
退職者の会の郵便物は、通常郵便で行い、私送便はやらないこととしたい。 - 選挙関係
- 現役と退職者の会とのギャップがあることは指摘のとおりである。現役は、3年前と比べ1万人も減っており、役員も減少する中で、何ができるのか、コンプライアンスも大事だが、労組の政治活動の中でどこまでできるのかグループ連絡会と話しあって欲しい。
- 労組の政治活動の範囲は広いが、実際の本番の選挙活動とは異なる。現役が責任を持てないものは退職者の会でもできない。現役と十分意思統一して最大限取り組むことが重要だ。現役の拠点のないところについて、退職者の会がどこまでできるか、右から左とはいかないし、限界もある。しかし、かつてのようなコンプライアンスによって萎縮する状況はなくなってきているのではないか。
さらに、千葉からは、比例代表吉川さおり参議院議員について、全国大会決定方針は、2期12年になっている。これをどうするのか早めに検討して欲しいとの要望があった。
これに対し、中央本部日野組織企画部長は、「検討する意味は、様々あるが、これまでの経過で、2期12年を決めてきた。これまで対応してきたことをふまえ、検討したい。」と述べた。
続いて、川辺事務局長から、組織要覧の校正依頼について、ありがとう会計の報告及び熊本地震カンパの最終報告があり、意見なく確認された。
役員の選出については、定居事務局次長から、東京支部協所属の高見恵利子さんを副会長に選出したいとの提案があり、承認し、1日目の会議を終了した。
その後、場所をホテル聚楽に移し、夕食懇親会が行われた。
二日目
参議院議員 吉川さおり氏の挨拶
吉川参議院議員は、現在開かれている通常国会の会期延長の動向に触れたあと「大きな法案(TPP関連法や年金改革関連法)が強行採決されているが、世論は、自民党の支持率が上がり、野党は下がっている。民進党の仲間とともに、与党にしっかり対応していく」と力強い決意を述べた。
議事
川辺事務局長から、①NTT退職・再就職に伴う退職者の会の加入の扱い、②支部協等会費変更の扱いについて一括提案され、質疑・討論に入った。(資料は、別紙3・別紙4)
NTT退職・再就職に伴う退職者の会の加入の扱いでは、三重から「通建会社等への転籍の情報が入らないまま、対応するタイミングを失ってしまう。現役に言っているが、どこが情報を提供するのか」の意見があり、次のとおり答弁した。
(川辺事務局長)
今回は、会への加入手続きがやりやすくなった。その情報をどこで提供するのかは難しい。会社に情報を求めても難しい。生協の手続きに入る時がチャンスである。
(石原会長)
情報は待っていても入らない。転籍の場合、生協手続きに入る時に、管理者に対して、「退職者の会にも入れますよ」と言える。分会は、転籍等で職場を出ていくのは分かるので、その際に生協継続、退職者の会に入れることを言うことが大事である。
以上を確認し、2日間の会議を終了した。
会議資料は、資料関係をご覧下さい。