2016北方領土返還要求平和行動は、9月10日~11日かけて、1日目は、情報労連平和学習会を釧路アクアベールに於いて、100名(全国参加59名、地元41名)が参加のもと、開催された。中央協からは、4名(中央協・新潟・静岡・熊本)が参加した。
冒頭、主催者を代表して柴田書記長は、「平和4行動、沖縄・広島・長崎そして根室と最終を迎えた。2017に向けて、北海道から沖縄へとピースフラッグを手渡し、来年の平和行動に繋げたい。戦後71年、戦争経験者も少なくなり、私たちの役割は大きい。多くの課題はあるが、一歩でも前進するためには、今学習会を通じて学んだことを、職場・地域で広めてほしい。1945年8月15日以降、旧ソ連は樺太への進攻、そして北方領土の占領により、多くの犠牲者が、なぜこうなったのか一人ひとりが考えてほしい。71年が過ぎ、島民の皆さんも少なくなってきている。日露首脳会議が、9月2日にウラジオストックで経済協力をテコに首脳会議が開催された。さらに、12月15日に、安倍首相のお膝元山口で、首脳会議が開催される。一日も早い北方領土返還を実現するためにも、今後、首脳会談と政府の動向を注視していきたい。」と挨拶。
地元協議会を代表して浪岡議長は、「北方領土問題は、4島が日本の固有の領土であるが、71年経っても返還されていない。事実を知らない人が多い。明日、ノサップ岬から見て、感じて、そのことをこれからの取り組みに生かしてほしい。我々の独自の活動として、平和4行動と合わせ、戦後60年2005年から、『稚内平和行動』に北海道、北海道以外から参加者を募り取り組んでいる。毎年8月19日~20日に、増毛・留萌・小平の『三船殉難』の慰霊碑と稚内の「9人の乙女(樺太真岡郵便局交換手)」の碑を訪れ、平和を祈念している。」と挨拶。
第1部は、太平洋戦争についてDVD上映。語り部、北海道日本ロシア協会森川副会長より。「1945年8月樺太戦の実相」。
第2部は、北海道協議会山根さんから北方領土問題とは。語り部、千島歯舞群諸島居住者連盟安田愛子より「私のふるさとと蘂取(シベトロ)」。元釧路地区協議会事務局長より「北方領土ビザなし交流報告」が行われた。
太平洋戦争についてのDVDを見て、戦争の悲惨さを実感し、二度と戦争という過ちを繰り返してはならないと決意をあらたにした。
語り部も高齢化、安田さんが語った。「元島民約1万6千人も、現在約6千人。平均年齢が83歳。私たちには時間がない、一日も早い返還で、自由に行き来し、先祖の供養もしたい」と、切実に訴えていたことが印象的だった。
最後に、北海道協議会から沖縄協議会へ、ピースフラッグを渡し、情報労連平和学習会を終了した。
その後、参加者全員で交流会を開催し、釧路地区協議会の皆さんとも懇親を深めることができた。
2日目は、連合主催の2016平和ノサップ集会への参加。
ラピスタ釧路川ホテルを7時30分に出発、約3時間で一路根室ノサップ岬・望郷の岬公園へ。
車中では、映画「樺太1945年夏~氷雪の門」を上映。
氷雪の門は、ソ連領サハリンと呼ばれるかつての樺太。終戦時の混乱期に、この地は10万余の同胞を失った。この映画はソ連の侵攻作戦の真只中、最後まで通信連絡をとり、若い生命を投げうった真岡郵便局電話交換手九人の悲劇を描いた真実の物語である。
2016平和ノサップ集会は、午前11時から約1,500名の参加により開催。
冒頭、主催者を代表して連合逢見事務局長は、「札幌から680kmを2日間かけて、それぞれの立場で道内を平和の尊さをアピールした、沖縄・広島・長崎・北海道青年委員会のキャラバン隊に敬意を表する。連合は、北方領土返還運動の一躍になうものとして、今後ともさらなる運動に取り組む。まず、9月5日の北朝鮮による5回目の核実験に強い抗議と拉致被害者の帰還を強く求めていく。快晴に恵まれ、歯舞群島と国後島が見える。ここから目と鼻の先にある北方四島は、我国固有の領土である。旧ソ連に不法占拠されて、71年が経つ。ソ連崩壊後ロシアとなり、この間外交交渉を進めてきたが、依然として不法占拠が続いている。ロシアは、莫大な資金を使って、既成事実を作ろうとしている。メドヴェージェフ首相は、日本の反対にもかかわらず択捉島を強行視察し、北方領土軍事力強化の方針を明らかにしている。9月5日に安倍首相とプーチン大統領の首脳会議が行われた。12月15日には、プーチン大統領が訪日し、首脳会議が行われると聞いている。連合も民間の立場から、世論の後押しに向けて尽力していく。連合は、諸団体と連携し次の3つの課題に取り組む。①次世代への継承。元島民は高齢化が深刻、語り部の思いを受け継ぐ、青年リーダーの育成に努める。②日露政府間交渉の環境整備を支援するため、北方領土ビザなし交流、元島民と思いを同じくする人、二世、三世の繋がりを大切に戦略的に取り組む。③北方領土に、元島民が暮らした証を残す取り組み。集会に参加された皆さん、本行動を通じて感じたこと、学んだことを職場・地域で、日露平和条約締結まで取り組んでほしい。」と挨拶。
その後、地元歓迎挨拶、来賓として岸田外務大臣と鶴保内閣府担当大臣のメッセージを紹介、元島民からの訴えなど、さらに連合北海道から連合沖縄へとピースフラッグを渡された。最後に、集会アピール採択、がんばろうで集会を閉会した。
情報労連は、平和行動まとめ集会を開催し、今集会で見て学んだことを職場・地域で語り部となり、運動の輪を広げていくことを確認し、終了した。
当初、台風の影響で開催が危ぶまれたが、晴天に恵まれ、目の前に歯舞群島など見て、まさに近くて遠い島を実感した。